【J Am Coll Cardiol】特発性冠動脈解離、 長期死亡率は0.8%に留まることが明らかに
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2年前

【J Am Coll Cardiol】特発性冠動脈解離、 長期死亡率は0.8%に留まることが明らかに

【J Am Coll Cardiol】特発性冠動脈解離、 長期死亡率は0.8%に留まることが明らかに
Sawらは、 非アテローム硬化性の特発性冠動脈解離 (SCAD) 患者を対象に、 SCADの長期の経過を検討する多施設共同前向き観察研究を実施。 その結果、 長期死亡率は0.8%、 de novo再発SCADは2.4%と低値にとどまっていることが明らかとなった。 本研究は、 J Am Coll Cardiol誌において発表された。

📘原著論文

Canadian Spontaneous Coronary Artery Dissection Cohort Study: 3-Year Outcomes. J Am Coll Cardiol. 2022 Oct 25;80(17):1585-1597.PMID: 36265953

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

SCADはもはや稀な疾患ではなく、 高齢の方にも考慮しないといけない疾患であることが大切です。 また、 SCADの再発率は当初報告されていた1/4くらいであることは本研究の大切な結果です。

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日本循環器学会

研究デザイン

対象:急性期に来院した非アテローム硬化性のSCAD患者750名

研究結果

  • 発症の原因
  • 精神的ストレス因子:50.3%
  • 身体的ストレス因子:28.9%
  • 素因となる疾患
  • 線維筋性異形成:42.9%
(完全なスクリーニングを受けた患者では56.4%)
  • 周産期状態:4.5%
  • 遺伝性疾患:1.6%
  • 84.3%の患者が保存的治療、 14.1%がPCI、 0.7%がCABGを受けた。
  • 追跡期間中央値3.0年での死亡率:0.8%
  • 追跡期間中央値3.0年でのMI再発率:9.9%
以前のSCADの延長:3.5%、 de novo再発SCAD:2.4%、 異所性解離:1.9%
  • 追跡期間中央値3.0年でのMACE:14.0%
  • 遺伝性疾患の有無、 周産期SCAD、 冠外線維筋性異形成は3年MACEの独立した予測因子であった。
  • 入院時にPCIを受けた患者の退院後MACEは、 受けなかった患者と同等であった。
  • 3年後時点で、 80.0%がアスピリン、 73.5%がβ遮断薬を継続服用していた。

結論

血行再建率が低く、 β遮断薬とアスピリンの使用率が高い現代の大規模SCADコホートにおいて、 長期死亡率とde novo再発SCADは低値であった。 遺伝性疾患、 冠動脈外線維筋性異形成、 周産期SCADは長期的なMACEの独立した予測因子であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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