Smith MRらは, 転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) 患者1,306名を対象に, アンドロゲン除去療法+ドセタキセルの併用にダロルタミドを追加した際の有効性と安全性を検証する国際共同第3相試験 (ARASENS試験) を実施. 結果、 ダロルタミド併用群で全生存期間が有意に改善したことを報告した. 本研究はNEJM誌において発表された.
研究デザイン
- mHSPC患者1,306例を、以下の2群にランダムに割り付けした. いずれもアンドロゲン除去療法およびドセタキセルと併用した.
- ダロルタミド群 651例 (600mg 1日2回)
- プラセボ群 655例
研究結果
有効性評価
- 一次解析のデータカットオフ日において, 死亡リスクはダロルタミド群がプラセボ群に比べ32.5%有意に低かった (HR : 0.68, 95%CI 0.57~0.80, P<0.001) .
安全性評価
- 最も一般的な有害事象 (患者の10%以上に発生) の発生率は, 両群でドセタキセル治療期間の重複期間中に最も高かった.
- グレード3, 4の有害事象の発生頻度は, ダロルタミド群66.1%, プラセボ群63.5%であり, 最も多かったのは好中球減少 (ダロルタミド群 : 33.7%, プラセボ群:34.2%) であった.
原著論文
Smith MR, etal,Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2022 Feb 17. doi: 10.1056/NEJMoa2119115. PMID: 35179323
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