海外ジャーナルクラブ
2年前
Melaniらは、 リンパ腫様肉芽腫症 (LYG) 患者を対象に、 低悪性度LYGへの免疫療法 (IFN-α-2b) と高悪性度LYGへの標準化学療法 (DA-EPOCH-R) の有効性と安全性を非盲検単施設第Ⅱ相試験で検討。 その結果、 低悪性度LYG にはIFN-α-2bによる免疫療法が有効であり、 高悪性度LYGにおいてもDA-EPOCH-Rによる化学療法が効果を示した。 本研究はLancet Haematol誌において発表された。
前向き研究で期間が約30年間(1991年〜2019年)、 徐々に患者数の設定を変更したようですが、 何よりも30年間本研究を継続したことに敬意を表します。
LYGは、 EBウイルス関連B細胞リンパ増殖性疾患であり、 全生存期間 (OS) の中央値が2年未満である。 本研究では、 低悪性度LYGは免疫依存性であり、 高悪性度LYGは免疫非依存性であるという仮説を立て、 それに基づく治療法を検討した。
12歳以上の未治療、 または再発・難治性のLYG患者。
初回治療後またはクロスオーバー治療後に全奏効を示した患者の割合と5年無増悪生存率 (PFS)。
IFN-α-2bによる治療を受けた25% (51例中13例)、 DA-EPOCH-Rによる治療を受けた64% (33例中21例) に発現した。
治療関連死はIFN-α-2bによる血栓塞栓症、 感染症、 血球貪食症候群が1例、 DA-EPOCH-Rによる感染症と血球貪食症候群が1例であり、 5例が死亡した。
IFN-α-2bは、 低悪性度LYGの治療に有効であるため、 高悪性度LYGへの進行を抑制し、 高悪性度LYGに対する化学療法も期待通りの反応を示した。 EBウイルスの免疫制御がうまくいかないと、 化学療法後に低悪性度LYGが出現するが、 IFN-α-2bによる治療が有効であるという仮説がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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