海外ジャーナルクラブ
2年前
Rosmarinらは、体表面積10%以下の色素脱失がある非分節性白斑の患者を対象に、ルキソリチニブの有効性と安全性を第Ⅲ相二重盲検基剤対照試験2件で検討 (TRuE-V1試験、TRuE-V2試験)。その結果、ルキソリチニブクリームの塗布は、2つの試験において顔の白斑面積スコア指数 (F-VASI) を改善させたが、有害事象として塗布部位にざ瘡やそう痒症が確認された。本研究は、NEJM誌において発表された。
JAKシグナル伝達系がTcell活性化のキーであることから、JAK阻害薬が皮膚疾患に対して素晴らしい効果を示しています。アトピー性皮膚炎、円形脱毛症に続き、本研究では白斑にも臨床効果を示しています。今後皮膚科領域での同様の効果の報告が続くもの、期待されます。
日本皮膚科学会
白斑は、皮膚の色素脱失を引き起こす慢性の自己免疫疾患である。 ルキソリチニブのクリーム製剤は、白斑の成人を対象とした第Ⅱ相試験において、色素沈着をもたらした。
体表面積10%以下に色素脱失がある非分節性白斑の12歳以上の患者を以下の2群に2:1の割合でランダムに割り付けた。
評価項目は以下の通り。
TRuE-V1試験に330名、TRuE-V2試験に344名の患者が登録された。
TRuE-V1において24週時点でF-VASI 75が確認された患者の割合
TRuE-V2において24週時点でF-VASI 75が確認された患者の割合
副次評価項目に関しても、ルキソリチニブ群の優越性が示された。
ルキソリチニブクリームを52週間塗布した患者の有害事象発生率
主な有害事象
2つの第Ⅲ相試験において、ルキソリチニブクリームの塗布は、52週間を通じて白斑病変の色素沈着を対照群よりも拡大したが、有害事象として塗布部位のざ瘡とそう痒症が確認された。白斑患者におけるルキソリチニブクリームの効果および安全性を明らかにするため、より大規模で長期間の試験が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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