HOKUTO編集部
1年前
早期再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫 (LBCL) に対する二次治療として、 CAR-T療法アキシカブタゲン シロルユーセ (axi-cel) と大量化学療法+自家造血幹細胞移植による標準治療の有効性および安全性を比較した第III相多施設共同ランダム化比較試験ZUMA-7の主解析結果から、 axi-celは標準治療と比べて全生存期間 (OS) を有意に延長することが認められた。
2023年6月2~6日に開催された米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2023) において、 米・University of Texas MD Anderson Cancer CenterのJason Westin氏が発表した。 同試験の詳細は、 NEJM(2023年6月5日オンライン版)に同時掲載された。
ZUMA-7試験の主要評価項目である無イベント生存期間 (EFS) を含む主要解析結果については、 2021年に開催された第63回米国血液学会 (ASH 2021) で報告されており、 axi-cel群では標準治療群に比べてEFSの有意な改善 (HR 0.398、 P<0.0001) を認めたことが報告されている(N Engl J Med 2022; 386: 640-654)。
この結果を受けて、 日本を含む多くの国では現在、 再発・難治性のLBCLの二次治療としてaxi-celが承認されている。
今回は事前に計画されたOSの主解析結果が報告された (追跡期間中央値47.2カ月)
OS中央値
HR 0.726、 95%CI 0.540-0.977、 片側P=0.0168
死亡
事前に規定したサブグループでもaxi-cel群のOS延長が一貫して認められた
PFS中央値
HR 0.506、 95%CI 0.383-0.669、 片側P<0.0001
4年PFS率
サイトカイン放出症候群、 神経学的イベント(いずれも全グレード、 グレード3以上)の発現は以下の通り。
治療関連死亡の発生は以下の通り。
EFSの主解析後、 新たな治療関連死亡は発生しなかった。
早期再発・難治性LBCL患者の二次治療において、 axi-celは標準治療と比べて生存期間を延長させる治療選択肢となりうる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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