テオフィリン徐放性製剤の供給停止・販売中止に呼吸器学会が見解
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HOKUTO編集部

3ヶ月前

テオフィリン徐放性製剤の供給停止・販売中止に呼吸器学会が見解

日本呼吸器学会は1月28日、 テオフィリン徐放性製剤 「テオドール錠100mg、 200mg」 の供給継続が困難になったことについて田辺三菱製薬より周知依頼があった旨、 ならびにこの供給停止・販売中止について、 学会は承諾できないと申し入れた旨を同学会公式サイトで発表した。 

💊テオドール®錠100mg / 200mg

気管支拡張薬 > キサンチン系

供給継続が困難に

困難な事由は徐放性に関わる製剤原料の製造中止

  • 徐放性に大きく影響している製剤原料2種 (ラウリル硫酸ナトリウム、 ミリスチルアルコール) が製造中止となり、 溶出規格に適合する製品の製造が見込めなくなった
  • 製剤原料を変更して製造するには溶出性の改善が必要であり、 併せて代替となる製剤原料の確保も困難な状況にある
  • 製造方法を見直し、 「適切な薬物放出の制御」 と 「溶出同等性の担保」 を満たすことは難易度が高い状況である

在庫消尽想定時期は2026年12月頃、 代替薬の承認得られておらず

テオドール錠100mg、 200mgの在庫消尽想定時期は2026年12月頃である (2024年11月予測)。 現時点において、 代替薬について承諾は得られていないという。

供給停止・販売中止は承諾できない旨申し入れ

同学会は、 以下の理由からテオドール錠100mg、 200mgの供給停止・販売中止は承諾できない旨を当該製薬会社に申し入れた。

  • 他の薬剤では十分な治療効果が得られない喘息・COPD患者が存在する
  • テオフィリンが使用不能になることで、 ステロイドの使用頻度が高まり、 全身性副作用のリスクが増加する
  • 治療の選択肢が失われ、 医療現場での最適な処方が困難になる
  • 比較的安価な治療選択肢の消失で、 医療費上昇や患者負担増大が懸念される
  • 長期的な供給不足による患者・医療現場への混乱が否定できない

テオドール®錠100 ㎎, 200 ㎎の現状報告

日本呼吸器学会の公式サイトに遷移します

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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