インタビュー
6ヶ月前
「高齢化が進む地域で、 これからの医療に求められる知識や技術をまんべんなく学べます」ーー。岡谷市民病院 (長野県岡谷市) の副院長で、 臨床研修センター長の三輪史郎先生は強調します。 初期研修医1年目に同病院で研修した信州大学医学部附属病院の堀優大先生も交え、 研修の特徴などを聞きました。
――研修の特徴は
三輪先生 「医師としてのベーシックスキルが身につけられます。 初期研修医 (毎年定員2人) にはプライマリケアのほか、 救急医療や緩和治療、 慢性期医療をそれぞれ習得してもらいます。 地域医療についても学べる環境が整えており、 研修修了時には一通りのことに対応できるようになります」
――岡谷市民病院で研修を受けるメリットとは
三輪先生 「医師としての総合力を学べる点です。 地域に近く、 『ここに来れば何とかなる』病院として市民の方に認識されており風邪などのプライマリケアはもちろん、 内科・外科・整形外科領域では急性期を十分学べます」
「一方、 当院は脳神経外科や産科などがありません。 また同じ医療圏における三次救急は別の医療機関が担っていることから、 こうした領域を極めたいと考えている人はミスマッチかもしれません」
――研修でどのような能力が身につくか
三輪先生 「ずばり高齢者医療のエキスパートですね。 高齢化が進む地域で、 何らかの基礎疾患を抱えて生活する方たちを医療を通じて支える機会が多いです。 高齢者との接し方を学ぶいい機会にもなります」
「地域の方から見れば、 研修医は子供や孫の年代で、 皆さんとてもかわいがってくれます。 高齢者と接する機会が少なかった研修医でも、 高齢者とのコミュニケーション方法を自然と身につけられます」
――岡谷市民病院を研修先に選んだ理由は
堀先生 「信州大学でたすきがけ研修を希望し、 岡谷市民病院で研修を受けています。 選んだ理由は『ゆっくり落ち着いて学べる病院がある』と信州大学の担当者から紹介されたためです」
――実際に研修した率直な感想は
堀先生 「病院によっては朝から晩まで目まぐるしく動き回ってガツガツ働くことが当たり前になっていますが、 当院ではそんなことはありません。 どの診療科の指導医も本当に丁寧に教えてもらえます」
堀先生 「糖尿病内科での研修が特に印象に残っています。 研修初期の段階で、 信州大では教わらなかったカルテの書き方のポイントなど多くのことを学びました。 専門医3人に代わる代わる指導を受けていました」
――忙しさの度合いを5段階評価すると。
堀先生 「全診療科の平均でいうと3です。 ほどほどの忙しさです。 特に内科領域は落ち着いて診療できる機会が多い一方、 小児科や救急は比較的忙しかったです」
――オフの過ごし方や普段のリフレッシュ方法は
堀先生 「レポート作成など院内でできる作業はできる限り宿舎に持ち込まないようにしています」
「リフレッシュは買い物やドライブです。 時間がある時は車で遠出することもありますよ。 好きな曲をかけながら生まれ育った長野の自然を楽しんで、 『明日からまた頑張るぞ』と気持ちを新たにしています」
――医学生にメッセージを
三輪先生 「診療科やその日の状態で変動はありますが、 ほどよい忙しさです。 自分のペースでコツコツと着実に成長したい人にはうってつけですよ」
堀先生 「座学に自信はあっても、 それ以外の部分で不安を感じている人は多いと思います。 一緒に働く医師とコメディカルはもちろん、 患者さんも優しい人が多く、 病院と地域に見守られながら成長できます。 着実に成長したい人たちのチャレンジをお待ちしています」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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