【JAMA Oncol】高齢進行NSCLCにICI+化学療法はOS改善せず、 irAEは増加
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【JAMA Oncol】高齢進行NSCLCにICI+化学療法はOS改善せず、 irAEは増加

【JAMA Oncol】高齢進行NSCLCにICI+化学療法はOS改善せず、 irAEは増加
月田氏らは、 高齢進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) +化学療法併用の有効性および安全性について、 後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 同併用療法はICI単独療法と比較して患者の全生存期間 (OS) を改善せず、 免疫関連有害事象 (irAE) の発生率を増加させたことが示された。 本研究はJAMA Oncolにおいて発表された。

📘原著論文

Immunotherapy or Chemoimmunotherapy in Older Adults With Advanced Non-Small Cell Lung Cancer. JAMA Oncol. 2024 Apr 1;10(4):439-447. PMID: 38451530

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

超高齢化社会+国民皆保険制度の本邦の強みを生かしたreal world data研究です。 結果も受け入れやすく、 領域を超えて同じようなデザインでの研究が可能だと思います。

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高齢NSCLCへのICI+化学療法は?

ICI+化学療法の併用は、 標的化可能な癌遺伝子変異を伴わないNSCLCに対する標準治療として確立されているものの、 75歳以上の高齢者におけるデータは限られている。

コホート研究で患者のOSを評価

対象

臨床病期ⅢB期、 ⅢC期、 Ⅳ期で術後または放射線治療後に再発した75歳以上のNSCLC患者 : 1,245例

分子標的薬の初回治療を受けている患者は除外した。

方法

2022年2~10月のデータを解析

ICI+化学療法群、ICI単独療法群、 化学療法併用群、 単剤化学療法群に分類し、 各群を評価した。

主要評価項目

OS

副次評価項目

無増悪生存期間 (PFS)、 安全性

ICI+化学療法併用でOSは改善せず

OS中央値

  • ICI+化学療法群 (354例) : 20.0ヵ月
(95%CI 17.1-23.6ヵ月)
  • ICI単独群 (425例) : 19.8ヵ月
(同16.5-23.8ヵ月)
  • 化学療法併用群 (311例) : 12.8ヵ月
(同10.7-15.6ヵ月)
  • 単剤化学療法群 (155例) : 9.5ヵ月
(同7.4-13.4ヵ月)

OSとPFSのハザード比

傾向スコアマッチングの結果、 OSおよびPSFにおいて、 ICI+化学療法群とICI単独群の間に有意差は認められなかった。

OS

HR 0.98 (95%CI 0.67-1.42、 p=0.90)

PFS

HR 0.92 (95%CI 0.67-1.25、 p=0.59)

PD-L1発現を1~49% (低値) または50%以上 (高値) に分けて解析した場合も、 有意性は認められなかった。

安全性評価

Grade3以上のirAE発現率

  • ICI+化学療法群: 24.3%
  • ICI単独群: 17.9%
 p=0.03

高齢NSCLCにはICI単独が推奨か

著者らは 「75歳以上のNSCLC患者において、 ICI+化学療法併用療法はICI単独療法と比較してOSを改善せず、 Grade3以上のirAE発現率を増加させた。 この結果より、 高齢のPD-L1陽性NSCLC患者にはICI単独療法が推奨される可能性が示唆された」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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