最新薬剤情報 & 使い分け
2年前
ステロイド外用薬は、 局所におけるグルココルチコイド作用 (抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用など) により、皮膚の様々な疾患に対して使用される薬剤です.
ステロイド外用薬は、 抗炎症作用の強さに応じて5段階に分類¹⁾されています (ランク分類).
Ⅰ群が最も強く、Ⅴ群が最も弱くなっています. この分類はあくまで本邦で用いられているもので国により異なります (米国は7段階に分類²⁾).
ランクが高いほど作用が強くなると同時に、 副作用の発現頻度も高くなります. また、基剤によって吸収が異なり、一般的に軟膏よりもクリームの方が経皮吸収が高いと言われています³⁾.
💊 デルモベート軟膏 / クリーム / スカルプローション
💊 トプシム軟膏 / クリーム / ローション / スプレー
💊 リンデロン−DP軟膏 / クリーム / ゾル
💊 テクスメテン軟膏 / ユニバーサルクリーム
💊 ネリゾナ軟膏 / クリーム / ユニバーサルクリーム / ソリューション
💊 エクラー軟膏 / クリーム / ローション / プラスター
💊 フルコート軟膏 / クリーム / スプレー / 外用液
💊 リドメックスコーワ軟膏 / クリーム / ローション
💊 アルメタ軟膏
💊 キンダベート軟膏
💊 グリメサゾン軟膏
ステロイド外用薬の効果や副作用を予想するためには、薬剤のランク (強さ) だけでなく、 投与部位の吸収率を考慮する必要があります.
以下の図は前腕の内側のヒドロコルチゾンの吸収率を1.0とした場合の各部位の吸収率を示したものです⁴⁾.
皮膚の薄い部分については吸収率が高くなっており、特に陰嚢は42倍、顔や頭部は3.5~13倍になっています. 薬剤吸収率の高い部位に対する長期間連用では局所副作用の発生に特に注意する必要があり、原則として顔にはⅣ群以下の使用が推奨されています¹⁾.
最終更新:2022年6月10日
執筆:ぺんぎん薬剤師 @penguin_pharm
監修:聖路加国際病院救急部 清水真人
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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