HOKUTO編集部
6日前
未治療進行腎細胞癌 (aRCC) に対する抗PD-1抗体ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブ (NIVO+IPI) 併用療法の有効性および安全性について、 マルチキナーゼ阻害薬スニチニブを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CheckMate 214の最終解析結果から、 長期追跡後もOSおよびPFSの改善が示された。 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏が発表した。
CheckMate 214試験の主解析の結果より、 NIVO+IPIはInternational Metastatic RCC Database Consortium (IMDC) のリスクスコアにより、 Intermediate/Poorリスクに該当するaRCCに対する1次治療として承認されている。
今回、 追跡期間中央値9.3年の長期追跡データに基づく、 最終的な有効性および安全性の結果が報告された。
主要評価項目であるIntermediate/Poorリスク集団における全生存期間 (OS) 中央値は、 スニチニブ群の26.0ヵ月(95%CI 21.8-32.6ヵ月)に対して、 NIVI+IPO群では46.7ヵ月(同 35.0-55.7ヵ月)、 と長期的にも有意な改善を示した(HR 0.69、 同 0.59-0.81)。
NIVI+IPO群 / スニチニブ群の3年OS率、 6年OS率、 9年OS率はそれぞれ54%/43%、 39%/27%、 30%/19%だった。
無増悪生存期間 (PFS) 中央値は、 NIVI+IPO群で12.4ヵ月(同 8.7-16.8ヵ月)、 スニチニブ群で8.5ヵ月(同 7.0-11.1ヵ月)であり、 OSと同様に追跡期間を延長しても改善を示した(HR 0.73、 同 0.61-0.87)。
NIVI+IPO群 / スニチニブ群の3年PFS率、 6年PFS率はそれぞれ35%/19%、 29%/10%だった。
奏効持続期間 (DOR) 中央値は、 スニチニブ群の19.8ヵ月(同 16.4-26.4ヵ月)と比べて、 NIVI+IPO群では82.8ヵ月(同 54.1ヵ月-NE)と持続的な奏効を示した。
IMDCリスクスコアがfavorableのリスク集団におけるOS中央値は、 NIVI+IPO群で77.9ヵ月(95%CI 64.6-91.6ヵ月)、 スニチニブ群で66.7ヵ月(同 56.0-79.9ヵ月)、 HRは 0.80(同 0.59-1.09)と初回報告時のHR 1.45から改善が認められた。
PFS中央値はそれぞれ12.9ヵ月(同 9.1-13.0ヵ月)、 28.9ヵ月(同 23.2-42.8ヵ月)だった(HR 1.78、 同 1.27-2.50)。
また、 DOR中央値はそれぞれ61.5ヵ月(同 22.7ヵ月-NE)、 33.2ヵ月(同 24.8-51.4ヵ月)だった(HR 0.74、 同 0.39-1.41)。
副次評価項目である全集団におけるOS中央値は、 NIVI+IPO群で52.7ヵ月(95%CI 45.8-64.4ヵ月)、 スニチニブ群では37.8ヵ月(同 31.9-43.8ヵ月)であり、 9年以上経過後もNIVI+IPO群で生存ベネフィットが持続していた(HR 0.71、 同 0.62-0.82)。
またOSサブグループ解析の結果、 事前に規定された全サブグループにおいて、 NIVI+IPO群のスニチニブ群に対する優位性が一貫して認められた。
PFS中央値は、 NIVI+IPO群が12.4ヵ月(95%CI 9.9-16.6ヵ月)、 スニチニブ群が12.3ヵ月(同 9.8-15.2ヵ月)と両群で有意差を認めなかったが(HR 0.88、 0.76-1.04)、 3年・6年・8年PFS率はそれぞれ34%/25%、 26%/12%、 23%/9%と、 24ヵ月以降は一貫してNIVI+IPO群の優位性が示された。
DOR中央値は、 スニチニブ群の25.1ヵ月(95%CI 19.8–33.2ヵ月)と比べて、 NIVI+IPO群では76.2ヵ月(同 59.0ヵ月-NE)と有意な改善を示した(HR0.53、 0.38-0.73)。
Intermediate/Poorリスク集団のORRは、 NIVI+IPO群が42.2%(95%CI 37.6-47.2%)、 スニチニブ群が27.5%(同 23.3-32.0%)だった。 また全集団ではそれぞれが39.5%(同 35.3-43.7%)、 33.0%(同 29.0–37.1%)と、 いずれの集団においてもNIVI+IPO群で良好な結果だった。
治療期間の中央値はNIVI+IPO群が7.9ヵ月、 スニチニブ群が7.8ヵ月で、 治療関連有害事象 (TRAE) による投与中止はNIVI+IPO群24%、 スニチニブ群13%に認められた。 TRAE発現率は、 NIVI+IPO群とスニチニブ群で同程度(94%/98%)だったが、 Grade3以上のTRAEはNIVI+IPO群の方が少なかった(49%/64%)。
Choueiri氏は 「未治療aRCCにおける免疫チェックポイント阻害剤併用療法の最長 (9年) かつ最終的な第III相試験の追跡調査において、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法はスニチニブと比較し、 長期追跡後も完全かつ持続的な奏効を伴うOSの改善を示し、 安全性は管理可能だった。 これらの結果は、 aRCCに対する標準1次治療として、 同併用療法を引き続き支持する結果である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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