【JAMA Netw Open】妊娠中のICI使用は有害転帰リスクを増加させず
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【JAMA Netw Open】妊娠中のICI使用は有害転帰リスクを増加させず

【JAMA Netw Open】妊娠中のICI使用は有害転帰リスクを増加させず
Gougisらは、 妊娠中の女性を対象に、 他の抗癌薬と比較した免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) 使用における母体、 胎児、 新生児の有害転帰の発生リスクについて、 コホート研究で検討した。 その結果、 妊娠中のICI使用はICI以外の抗癌薬使用と比べ、 有害転帰の増加は認められなかった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。

📘原著論文

Immune Checkpoint Inhibitor Use During Pregnancy and Outcomes in Pregnant Individuals and Newborns. JAMA Netw Open. 2024 Apr 1;7(4):e245625. PMID: 38630478

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

有害転帰リスクは増加しないにも関わらず、 結論には ICI use in pregnant women should be avoided when possibleと強めの結論になっていてJAMA Netw Openとしてよくある結論の形式です。

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妊婦へのICI、 母体・胎児に影響は?

ICIの普及に伴い、 妊婦への投与による有害転帰への懸念が浮上している。 しかし、 妊婦へのICI投与におけるデータは十分ではない。

母子の有害転帰を比較

対象

2022年6月26日までに世界保健機関 (WHO) の国際ファーマコビジランスデータベースに登録され、 妊娠中の抗癌薬使用と妊娠関連転帰に言及された全ての報告 : 3,558例

ICI : 91件 (2.6%)、 その他の抗癌薬 : 3,467件 (97.4%)

主要評価項目

ICIによる治療を受けた患者とその他の抗癌薬による治療を受けた患者における母体、 胎児、 新生児の合併症の報告オッズ比 (ROR)

有害転帰報告が有意に多い事例は0

ICI群で患者に投与された薬剤内訳

  • 抗PD-1抗体 : 58例 (63.7%)
  • 抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体 : 15例 (16.5%)
  • 抗CTLA-4抗体 : 13例 (14.3%)
  • 抗PD-L1抗体 : 4例 (4.4%)
  • 抗PD-1抗体+抗LAG-3抗体 : 1例 (1.1%)
  • ICI+他の抗癌薬 : 10例 (11.0%)

有害転帰の報告

  • 他の抗癌薬投与群と比較して、 ICI投与群で有害転帰の報告が有意に多い事例は45件中1件もなかった。
  • 他の抗癌薬投与群と比較して、 抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体併用療法では早産の報告が有意に増加した (15例中12例 [80.0%] vs 3452例中793例 [23.0%] )。
ROR 13.87 (95%CI 3.90-49.28)、 p<0.001

免疫関連と疑われる母体・胎児事象の報告

3件確認された。

  • 自然流産に至った母体抗リン脂質抗体症候群 : 1例
  • 新生児呼吸窮迫症候群および死亡に至った肺炎 : 1例
  • 一過性先天性甲状腺機能低下症 : 1例

妊婦へのICI投与は慎重に行うべき

著者らは 「妊娠中のICI曝露は、 ICI以外の抗癌薬による治療と比較して、 特定の有害転帰とは関連していないことが示された。 しかし、 まれに免疫関連新生児有害事象が発生する可能性があるため、 妊婦へのICIの使用は可能な限り避けるべきである」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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