海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Gougisらは、 妊娠中の女性を対象に、 他の抗癌薬と比較した免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) 使用における母体、 胎児、 新生児の有害転帰の発生リスクについて、 コホート研究で検討した。 その結果、 妊娠中のICI使用はICI以外の抗癌薬使用と比べ、 有害転帰の増加は認められなかった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
有害転帰リスクは増加しないにも関わらず、 結論には ICI use in pregnant women should be avoided when possibleと強めの結論になっていてJAMA Netw Openとしてよくある結論の形式です。
ICIの普及に伴い、 妊婦への投与による有害転帰への懸念が浮上している。 しかし、 妊婦へのICI投与におけるデータは十分ではない。
2022年6月26日までに世界保健機関 (WHO) の国際ファーマコビジランスデータベースに登録され、 妊娠中の抗癌薬使用と妊娠関連転帰に言及された全ての報告 : 3,558例
ICIによる治療を受けた患者とその他の抗癌薬による治療を受けた患者における母体、 胎児、 新生児の合併症の報告オッズ比 (ROR)
ROR 13.87 (95%CI 3.90-49.28)、 p<0.001
3件確認された。
著者らは 「妊娠中のICI曝露は、 ICI以外の抗癌薬による治療と比較して、 特定の有害転帰とは関連していないことが示された。 しかし、 まれに免疫関連新生児有害事象が発生する可能性があるため、 妊婦へのICIの使用は可能な限り避けるべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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