【NEJM】原発性胆汁性胆管炎のALP改善にseladelparが有効
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【NEJM】原発性胆汁性胆管炎のALP改善にseladelparが有効

【NEJM】原発性胆汁性胆管炎のALP改善にseladelparが有効
Hirschfieldらは、 原発性胆汁性胆管炎 (PBC) 患者を対象に、PPARδアゴニストseladelparの有効性について、 第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 seladelparはプラセボに比べて有意に生化学的反応およびアルカリホスファターゼ (ALP) の正常化を達成し、 そう痒症を有意に軽減したことが明らかとなった。 本研究はNEJMにおいて発表された。

📘原著論文

A Phase 3 Trial of Seladelpar in Primary Biliary Cholangitis. N Engl J Med. 2024 Feb 29;390(9):783-794. PMID: 38381664

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

この論文にはlimitationとして記載されている箇所がありません。 考察は今までよりもさらにシンプルな記述に留まっています。 NEJMは常に新しい形に向かっています。 これからのNEJMの考察部分の記載に注目です。

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現状、PBCへの治療法は限られる

これまでPBCに対する有効な治療法は限られていた。 しかし過去の研究からは、 同疾患に対するseladelparの有益性が期待されている。

第Ⅲ相プラセボ対照RCTで検証

対象は 「治療効果不十分なPBC患者」

ウルソデオキシコール酸の効果が不十分、 または許容できない副作用が発現したPBC 193例

「seladelpar 10mg」を1日1回経口投与

2:1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。

- seladelpar群 vs - プラセボ群

主要評価項目は 「生化学的奏効」

奏効とは投与後12ヵ月時点以下を満たすこと

  • ALP値がベースラインから15%以上低下
  • ALP値が正常範囲上限の1.67倍未満
  • 総Bil値が正常である

以下のとおり、有意な差がみられた

生化学的奏効割合はseladelpar群がプラセボに比べて有意に高かった

  • seladelpar群 : 61.7%
  • プラセボ群 : 20.0%
 差 41.7%ポイント
  (95%CI 27.7-53.4%ポイント、 p<0.001)

12ヵ月時点のALP正常化率もseladelpar群がプラセボに比べて有意に高かった

  • seladelpar群 : 25.0%
  • プラセボ群 : 0%
 差 25.0%ポイント
  (95%CI 18.3-33.2%ポイント、 p<0.001)

安全性評価は以下の通りであった

有害事象報告割合

  • seladelpar群 : 86.7%
  • プラセボ群 : 84.6%

重篤な有害事象の発現割合

  • seladelpar群 : 7.0%
  • プラセボ群 : 6.2%

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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