【RASolute 302】既治療膵癌、 経口RAS阻害薬daraxonrasibで死亡リスク60%減
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HOKUTO編集部

8日前

【RASolute 302】既治療膵癌、 経口RAS阻害薬daraxonrasibで死亡リスク60%減

【RASolute 302】既治療膵癌、 経口RAS阻害薬daraxonrasibで死亡リスク60%減
既治療の転移性膵管腺癌 (mPDAC) 患者を対象に、経口RAS (ON) マルチ選択的阻害薬daraxonrasibと担当医師選択の標準化学療法の有効性および安全性を比較評価した国際多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験RASolute 302の主解析 (最終解析) の結果から、 RAS G12変異集団および全集団における全生存期間 (OS) ・無増悪生存期間 (PFS) ・客観的奏効率 (ORR) のいずれにおいても有意な改善を示した。 米・Dana-Farber Cancer InstituteのBrian M. Wolpin氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med.誌2026年5月31日オンライン版¹⁾に掲載された。 

背景

P1/2で臨床活性と管理可能な安全性プロファイルを示したdaraxonrasib

既治療のmPDACに対する標準的な細胞傷害性化学療法の効果は限定的であり、 既報ではPFS中央値が3~4ヵ月、OS中央値が6~7ヵ月にとどまっている。

膵管腺癌 (PDAC) ではRAS経路の異常活性化が主要なドライバーであり、 発癌性RAS変異が90%超の症例で同定され、 その多くはコドンG12変異である。

Daraxonrasibは、変異型および野生型RASの活性型 (GTP結合型) を標的とする経口RAS (ON) マルチ選択的三元複合体阻害薬であり、 先行する第Ⅰ/Ⅱ相試験において、進行PDAC患者で臨床活性および管理可能な安全性プロファイルが示されていた。

試験の概要

日本を含めた6ヵ国59施設で実施

日本を含めた6ヵ国59施設で実施された国際多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験RASolute 302において、フッ化ピリミジン系またはゲムシタビン含有レジメンによる治療歴を有し、 ECOG PS 0/1のmPDAC成人患者500例が、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けされた。

  • daraxonrasib群 : 248例 (RAS G12変異集団 228例)
daraxonrasib 300mgを1日1回経口投与
  • 化学療法群 : 252例 (RAS G12変異集団 231例)
担当医師選択の標準的な細胞傷害性化学療法 (GnP、mFOLFIRINOX、Nal-IRI+5-FU/LV、FOLFOXのいずれか)を実施

2つの主要評価項目は、RAS G12変異集団におけるOSおよび盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFSであった。 主な副次評価項目は、 全集団におけるOSおよびBICRによるPFS、 RAS G12変異集団および全集団におけるBICRによるORRなどであった。

データカットオフは2026年2月10日、 追跡期間中央値は8.5ヵ月 (範囲 3.2-15.9ヵ月) であった。

試験の結果

患者背景は両群間で同様

ベースラインにおける対象患者の年齢中央値はdaraxonrasib群が66歳、 化学療法群が65歳であり、 女性はそれぞれ47%、 43%であった。 前治療レジメンとしてmFOLFIRINOXがそれぞれ40%、 42%、 ゲムシタビン+nab-パクリタキセルが38%、 37%であった。 腫瘍のRAS変異ステータスとして、 RAS G12D/V変異がそれぞれ79%、 78%、 その他のRAS G12変異がいずれも13%、RAS G13/Q61変異またはRAS変異が同定されなかった患者がいずれも8%と、 患者背景は両群間で同様であった。

mOSはRAS G12変異集団・全集団で有意に改善、 死亡リスクが各60%低減

RAS G12変異集団におけるOS中央値は、daraxonrasib群が13.2ヵ月 (95%CI 10.0ヵ月-NE) であり、 化学療法群の6.6ヵ月 (同5.4-8.2ヵ月) と比べて有意に改善した (HR 0.40 [95%CI 0.30-0.54]、 p<5.9×10⁻¹⁰)。

全集団では、 それぞれ13.2ヵ月 (95%CI 10.0ヵ月-NE)、 6.7ヵ月 (同5.8-8.0ヵ月) であり、 daraxonrasib群で有意な改善が認められた (HR 0.40 [95%CI 0.30-0.53]、p<4.6×10⁻¹¹)。

mPFSもRAS G12変異集団・全集団で有意に改善、 リスクが55%・51%低減

RAS G12変異集団のPFS中央値は、 daraxonrasib群が7.3ヵ月 (95%CI 6.3-8.1ヵ月) であり、 化学療法群の3.5ヵ月 (同2.9-3.8ヵ月) と比べて有意に改善した (HR 0.45 [95%CI 0.34-0.59]、p<3.2×10⁻⁹)。

全集団では、 それぞれ7.2ヵ月 (95%CI 5.7-7.5ヵ月)、 3.6ヵ月(同2.9-4.2ヵ月) であり、 daraxonrasib群で有意な改善が認められた (HR 0.49 [95%CI 0.38-0.64]、p<5.2×10⁻⁸)。

ORRもRAS G12変異集団・全集団で有意に改善

RAS G12変異集団における確定ORRは、 daraxonrasib群が33.2% (95%CI 27.0-39.9%) であり、 化学療法群の11.8% (同7.8-16.8%) と比べて有意に改善した (p<0.0001)。

全集団では、それぞれ31.6% (95%CI 25.8-38.0%)、 11.2%(同7.5-15.9%) であり、 daraxonrasib群で有意な改善が認められた (p<0.0001)。

管理可能な安全性プロファイル

Grade≧3の治療関連有害事象 (TRAE) がdaraxonrasib群の43.6%、 化学療法群の57.5%に認められた。 治療中止に至ったTRAEは、 それぞれ1.2%、 11.2%で報告された。

結論

daraxonrasibを既治療のmPDACに対する新たな標準治療として支持

Wolpin氏は、 「daraxonrasibは、 RAS G12変異集団および全集団におけるOS・PFS・ORRのいずれにおいても有意な改善を示し、 すべての主要評価項目および主な副次評価項目を達成した。 また、 新たな安全性シグナルは検出されず、 管理可能な安全性プロファイルを示した。 これらの結果は、 daraxonrasibを既治療のmPDACに対する新たな標準治療として支持するものであった」 と報告した。

出典

1) N Engl J Med. 2026年5月31日オンライン版

関連コンテンツ

RAS変異膵癌にdaraxonrasib、2次治療で奏効率35%

N Engl J Med. 2026 May 7;394(18):1790-1802.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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