海外ジャーナルクラブ
2年前
Chanらは、 経口抗凝固薬による治療を行っている肺疾患既往のない非弁膜症性心房細動 (NVAF) 患者を対象に、 抗凝固薬使用に関連する間質性肺疾患 (ILD) の発生リスクを後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 FXa阻害薬が、 抗凝固薬で治療されたNVAF患者のILDの発生リスクと関連していることが示唆された。 本研究は、 JAMA Netw Open誌において発表された。
薬剤の有害事象に関する仮説提唱の研究成果です。 大変sensitiveな問題であるため、 少なくとも前向き研究結果を待ってから何か物言う感じが良いかと思います。
対象は、 2012年6月1日から2017年12月31日までに抗凝固薬を投与された肺疾患の既往のないNVAF患者。 傾向スコア安定化重み付け (PSSW) を用いて、 薬剤群 (FXa阻害薬、 ダビガトラン、 ワルファリン、 ワルファリンを基準) 間で共変量のバランスを取った。
台湾の国民健康保険研究データベースを使用。
患者は、 FXa阻害薬、 ダビガトラン、 またはワルファリンによる治療を受けた。
特発性間質性肺疾患(ILD)の新規発症率
PSSW解析の結果、 ワルファリンと比較し、 FXa阻害薬は、 ILDの発生リスクが高いが、 ダビガトランとは有意差はなかった。
100患者年当たり0.29 vs. 0.17 (HR 1.54、 95%CI 1.22-1.94、 P<0.001)
いくつかの高リスクサブグループにおいても、 FXa阻害薬のILD発症リスクは一致していた。
抗凝固薬で治療されたNVAF患者において、 FXa阻害剤が肺傷害と関連していることを示唆している。 これらの薬剤の使用に関連する潜在的な肺の有害事象を監視するために警戒する必要がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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