メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
2ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は 「電話を受ける時の6つのコツ」 について解説します。
医師の日常業務において、 電話応対は欠かせないスキルです。 上級医からの依頼、 看護師からの報告、 患者家族からの問い合わせなど、 あらゆる連絡が電話を通して行われます。
顔が見えないやりとりだからこそ、 「声」 と 「言葉遣い」 でその人の丁寧さや誠実さが伝わります。 今回は、 医師が身につけておきたい 「電話を受ける時の6つのコツ」 をご紹介します。
電話は突然鳴ります。 用件を正確に聞き取り、 あとで振り返られるように、 専用のメモ帳を手元に用意しておきましょう。
メモがないと、 聞き漏らしや誤解が起こるリスクがあり、 再度の連絡や医療ミスにつながる可能性もあります。 裏紙や紙切れではなく、 記録として使える小さなノートを一冊用意しておくのが基本です。
電話を取るタイミングも、 印象を左右します。 1~2コール以内で取るのが理想的です。
緊急時や対応中でなければ、 すぐにメモを手に取り電話に出ましょう。 目の前に上級医や患者がいる時は 「失礼します」 と一声添えてから電話を取るとスマートです。
また、 すぐに出られなかったときは 「先ほどはお電話に出られず失礼いたしました」 と一言お詫びを添えましょう。
コール回数と適切な対応を、 以下に示します。
電話を受けるときは、 第一声が勝負です。 「はい!研修医の○○です」 と明るく、 聞き取りやすい声で名乗ることで、 相手に安心感を与えます。
小さな声や暗い声、 こもっている声は、 それだけで相手に不安を与えてしまいます。
相手の名前が聞き取りにくい場合は、 「失礼ですが、 もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」 と確認をしましょう。
また、 内容を把握したら 「承知しました」 「かしこまりました」 と、 敬語を使って丁寧に返します。 カジュアルな 「了解です」 はNGです。
電話を切る前には必ず、 「よろしくお願いいたします。 失礼いたします。」 と一言添えましょう。
最後を丁寧に締めくくれるかで、 相手の印象が大きく左右されます。
電話を切るときの所作にもマナーがあります。 基本的に、 電話をかけた側が先に切るのが原則です。 受けた側は数秒待ってから静かに切ると、 良い印象につながります。
また、 電話が切れるまでは周囲と話さないことも大切です。 皆さんも経験があるかもしれませんが、 直後の会話が電話越しに聞こえてしまうことがあります。
日頃からメモの準備や丁寧な言葉遣いを意識して、 適切な電話応対ができるように心がけてみましょう。 最初はなかなかうまくできなくても、 日々の心がけで自然に身につくようになるはずです。
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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