HOKUTO編集部
12日前

中等度の脳卒中リスクを有する心房細動 (AF) 患者を対象に、直接経口抗凝固薬 (DOAC) の有効性・安全性を、 無投与と比較した無作為化比較試験SINGLE-AFの結果から、 DOACが脳卒中・全身塞栓症・大出血・心血管死の複合転帰を有意に改善した。 韓国・Yonsei University College of MedicineのBoyoung Joung氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med.誌2026年8月28日オンライン版¹⁾に掲載された。
CHA₂DS₂-VAScスコアが男性1点、 女性2点の中等度脳卒中リスクを有するAF患者に対し、 欧米のガイドラインでは、 いずれも経口抗凝固療法をClass IIaで推奨している。 ただし、 その根拠は主に観察研究に基づいており、 無作為化比較試験によるエビデンスは乏しかった。
2020年7月~2023年6月に、 韓国18施設で、 19~80歳かつCHA₂DS₂-VAScスコアが男性1点、 女性2点のAF患者1,803例を、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
主要評価項目は無作為化後2年時の脳卒中・全身塞栓症・大出血 (ISTH基準) ・心血管死の複合だった。
2年時の脳卒中・全身塞栓症・大出血・心血管死の累積発現率は、 DOAC群で0.5% (4例) であり、無投与群の1.5% (13例) に比べて有意に改善した (HR 0.31 [95%CI 0.10–0.94]、Gray検定p=0.028)。 2年間の追跡完了率は両群とも94.6%、 服薬アドヒアランスは全期間で94%以上だった。
脳卒中の発現率はDOAC群0.3% (3例)、 無投与群1.1% (10例) であり、 DOAC群で低い傾向がみられた (HR 0.30 [95%CI 0.08–1.08] )。
探索的事後解析では、 虚血性脳卒中または全身性塞栓症の発現率は、 DOAC群0.1% (1例)、 無投与群1.1% (10例) であった (HR 0.10 [95%CI 0.01–0.77] )。 心血管死は両群とも認められなかった。
大出血の発現率は、 DOAC群0.3% (3例)、 無投与群0.5% (4例) であり、 明らかな群間差は認められなかった (HR 0.75 [95%CI 0.17–3.35] )。 頭蓋内出血はそれぞれ2例、 1例だった。
臨床的に重要な非大出血は、 DOAC群2.5% (22例)、 無投与群1.6% (14例) だった (HR 1.58 [95%CI 0.81–3.08] )。
Joung氏は、 「中等度の脳卒中リスクを有するAF患者において、 DOAC療法は、 抗凝固薬を投与しない場合と比べて、 24ヵ月時点の脳卒中、 全身性塞栓症、 大出血または心血管死の複合転帰リスクが低下した」 と報告した。
がん合併AF、 DOACが死亡・心血管イベントのリスク低下と関連
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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