海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
中道氏らは、 切除不能III期非小細胞肺癌(NSCLC)の患者を対象に、 化学放射線療法 (CCRT) 後の抗PD-L1抗体デュルバルマブ投与の有効性および安全性について第II相前向き単群非盲検臨床試験TORG1937 (DATE study)で評価した。 その結果、 デュルバルマブ投与によって患者の1年無増悪生存 (PFS)率が有意に改善した。 本研究は、 Clin Cancer Res誌において発表された。
第II相試験ですので、 コントロール群がありません。 そのため先行研究から、 登録後1年PFSを50%と設定してそれとの比較をしています。
切除不能なIII期NSCLC患者に対しては、 CCRT後のデュルバルマブ併用療法が標準治療となっている。 しかし、 CCRT終了後におけるデュルバルマブ投与開始の最適なタイミングは不明である。
切除不能なIII期NSCLC患者 : 50例
CCRT*後に病勢進行のない患者に対し、 最終放射線照射の翌日 (最長5日) からデュルバルマブを投与 (最長12ヵ月、 2週間毎)
PFS
安全性
2020年1月~20年8月の登録患者50例中、 47例が評価可能であった。
登録後1年PFS率: 75.0%
Grade3/4の肺炎および発熱性好中球減少の発現率がそれぞれ4.3%に認められた。
本研究は主要評価項目を達成した。 この結果は、 切除不能III期NSCLCに対するCCRT終了直後のデュルバルマブ投与の有効性と安全性を支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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