化学療法未治療で切除不能な進行胆道癌患者において、 ゲムシタビンとシスプラチンとS-1の併用療法 (GCS療法) の効果を、 ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法 (GC療法) を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験KHBO1404- MITSUBAの結果より、 全生存期間 (OS) に対する有効性が示された。
原著論文
▼解析結果
Randomized phase III study of gemcitabine, cisplatin plus S-1 versus gemcitabine, cisplatin for advanced biliary tract cancer (KHBO1401- MITSUBA). J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2023;30(1):102-110.
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KHBO1401- MITSUBA試験の概要
対象
化学療法未治療で切除不能な進行胆道癌患者
方法
246例を以下の2群に1:1で割り付けた。
ゲムシタビン1000mg/m²+シスプラチン25mg/m²を1日目にday1に投与、 S-1*をday1-7に投与。 2週毎に24週間実施
*S-1の投与量: 体表面積 (BSA) <1.25m²は80mg/day、1.25m²≦BSA<1.5m²は100mg/day、 BSA≧1.5m²は120mg/day
ゲムシタビン1000mg/m²+シスプラチン25mg/m²をday1,8に投与。 3週間毎に24週間実施
評価項目
- 主要評価項目:OS
- 副次評価項目:無増悪生存期間 (PFS) 、 奏効率 (ORR) 、 安全性
KHBO1401- MITSUBA試験の結果
患者背景
- 両群間で同様であった。
- 24週間のプロトコールを完了したのは、 GCS群48.8%、 GC群36.6%であった。
OS中央値
(95%CI 12.6-18.8ヵ月)
(95%CI 10.9-14.6ヵ月)
HR 0.791 (95%CI 0.628-0.996)、 p=0.046
OS率 (1年時)
(95%CI 50.1-67.4%)
(95%CI 44.5-62.0%)
PFS中央値
(95%CI 6.2-8.9ヵ月)
(95%CI 4.2-7.7ヵ月)
HR 0.748 (95%CI 0.577-0.970)、 p=0.015
ORR
p<0.001
病勢コントロール率
p=0.0066
有害事象 (AE)
- 両群で多くみられたAEは、 好中球減少、 血小板減少、 肝酵素上昇、 疲労、 悪心であった。
- 下痢、 口内炎、 発疹はGCS群でより頻度が高く、 感覚神経障害はGC群で頻度が高かった。
著者らの結論
- 化学療法未治療で切除不能な進行胆道癌患者において、 GCS群はGC群と比較し、 OSを有意に延長させることが示された。
- GCS群はGC群よりも高い奏効率を示した最初のレジメンである。