海外ジャーナルクラブ
7日前

Chuらは、 アトピー性皮膚炎 (AD) を対象に経口抗ヒスタミン薬上乗せの有益性と有害性を系統的レビュー・ネットワークメタ解析で検討した。 その結果、 主に中等症~重症の小児・成人患者6,230例を含む47試験において、 第1世代・第2世代H1抗ヒスタミン薬はプラセボと比較して重症度と痒みの強さをわずかに低下させたものの、 臨床的に重要な改善とはいえなかった。 一方、 第1世代薬は認知機能障害を増加させ、 有害事象による治療中止を増やす可能性が示された。 研究結果はBMJ誌に発表された。
本解析の対象は主に中等症~重症ADであり、 睡眠障害や増悪に関する結論はエビデンスの確実性が低いことから、 軽症例を含む日常診療への一般化には制限があります。
【Ann Intern Med】アトピー性皮膚炎 総説 「何が分かる?」
アトピー性皮膚炎 (AD) 管理において、 経口抗ヒスタミン薬を上乗せした場合の有益性と有害性を系統的に統合評価することを目的とした。
Medline・Embase・CENTRAL、 米食品医薬品局 (FDA)、 欧州医薬品庁 (EMA) データベースを対象に、 各データベース開始時点から2025年5月5日までを検索した系統的レビュー・ネットワークメタ解析である。
上乗せの経口H1抗ヒスタミン薬・H2遮断薬・マスト細胞安定化薬 (nedocromil sodium、 クロモグリク酸ナトリウム)、 またはそれらの併用を評価した無作為化比較試験 (RCT) 47件を組み入れた。
ランダム効果ベイズ・メタ解析により、 ADの重症度*・痒みの強さ**・睡眠障害・AD関連QOL・有害性を統合解析した。 エビデンスの確実性は、 ネットワークメタ解析GRADEおよびCore GRADEアプローチで評価した。
47試験には、 主に中等症~重症ADを有する小児および成人6,230例が登録されていた。
中等度の確実性で、 プラセボと比較して、 第1世代・第2世代のH1抗ヒスタミン薬の上乗せは、 ADの重症度 (平均差 -1.87、 95%CI -3.47 ~ -0.27) と痒みの強さ (平均差 -0.89、 95%CI -1.41 ~ -0.37) をわずかに低下させる可能性が示された。
しかし、 これらの効果は統計学的には検出可能であったが、 確立された臨床的最小重要差*を大きく下回った。
低い確実性だが、 検討されたすべての介入は睡眠障害を改善せず、 ADの増悪も減少させない可能性がある。
第1世代薬は認知機能障害を増加させ、 有害事象による治療中止を増やす可能性がある (リスク差 1,000人当たり66人増加、 95%CI 0 ~ 231人増加; 中等度の確実性)。
第2世代薬では認知機能障害のリスクが薬剤間で異なり、 平均効果の範囲は1,000人当たりロラタジン0人増加・レボセチリジン16人増加・セチリジン17人増加であった。
著者らは、 「H1抗ヒスタミン薬上乗せによる重症度と痒みの改善は、 臨床的に意味のある水準には届かず、 睡眠障害や増悪の減少も見込みにくいうえ、 第1世代薬では認知機能障害と有害事象による治療中止の増加が懸念され、 第2世代薬でも認知機能障害リスクは薬剤ごとに一様でない。 これらの知見は、 AD管理における抗ヒスタミン薬の日常的使用に否定的な根拠を提供するもので、 今後のガイドライン改訂に反映されるだろう」 と指摘している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。