【JAMA】アトピー性皮膚炎がIBDのリスク増加と関連
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【JAMA】アトピー性皮膚炎がIBDのリスク増加と関連

【JAMA】アトピー性皮膚炎がIBDのリスク増加と関連
Fuxenchらは、 小児および成人のアトピー性皮膚炎患者を対象に、 炎症性腸疾患 (IBD)、 潰瘍性大腸炎 (UC)、 クローン病 (CD) の新規発症リスクを住民ベースのコホート研究で検討。 その結果、 アトピー性皮膚炎の小児および成人の患者においてはIBDのリスクが増加しており、 そのリスクは年齢、 アトピー性皮膚炎の重症度、 IBDの種類によって異なることが明らかとなった。 本研究はJAMA Dermatology誌において発表された。 

📘原著論文

Risk of Inflammatory Bowel Disease in Patients With Atopic Dermatitis. JAMA Dermatol. 2023 Aug 30:e232875. PMID: 37647058

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

当たり前のことなのですが、 皮膚病変は皮膚のみに限局しているわけではなく、 全身に影響を与えていることをリスクとして算出しています。

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CAIスコア

炎症性腸疾患の腸状態の評価スケール

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潰瘍性大腸炎の臨床的重症度による分類

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CDAI (クローン病)

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潰瘍性大腸炎の活動期内視鏡所見による分類

診断基準・治療指針 令和4年度改訂版より

潰瘍性大腸炎の診断基準

潰瘍性大腸炎 診断基準・治療指針 令和4年度改訂版より

IOIBDスコア

クローン病の臨床的活動性指標

SES-CD

Simple endoscopic score for Crohn’s disease

Harvey-Bradshaw index

simple CDAI (HBI)

CECDAI:Capsule endoscopy Crohn’s disease activity index

カプセル内視鏡検査によるクローン病活動性指標

背景

アトピー性皮膚炎とIBDの関連については一貫性のないデータしか存在せず、 アトピー性皮膚炎の重症度とUCおよびCDのリスクとの関連を個別に調査した研究はほとんど行われていない。

研究デザイン

対象

アトピー性皮膚炎患者1例に対し、 背景因子をマッチングさせた対照を最大5例組み込んだ。

  • 小児コホート:40万9,431例
アトピー性皮膚炎の小児患者:軽症93.2%、 中等症5.5%、 重症1.3%
  • 小児対照:180万9,029例
  • 成人コホート:62万5,083例
アトピー性皮膚炎の成人患者:軽症65.7%、 中等症31.4%、 重症2.9%
  • 成人対照:267万8,888例

主要評価項目

IBD、 UC、 CDの発症

研究結果

小児アトピー性皮膚炎患者

小児アトピー性皮膚炎患者はIBDリスクが44% (HR 1.44、 95%CI 1.31-1.58)、 CDリスクは74% (HR 1.74、 95%CI 1.54-1.97) 高かった。 これらのリスクはアトピー性皮膚炎の重症度が高いほど増加した。

小児アトピー性皮膚炎患者においては全体的にUCのリスク増加は見られなかった (HR 1.09、 95%CI 0.94-1.27) 。 しかし、 重度のアトピー性皮膚炎患者においてはリスクが高かった (HR 1.65、 95%CI 1.02-2.67)。

成人アトピー性皮膚炎患者

成人アトピー性皮膚炎患者ではIBDリスクが34% (HR 1.34, 95% CI 1.27-1.40)、 CDリスク36% (HR 1.36, 95% CI 1.26-1.47)、 UCリスク32% (HR 1.32, 95% CI 1.24-1.41) 高かった。 これらのリスクはアトピー性皮膚炎の重症度が高いほど増加した。

結論

小児および成人のアトピー性皮膚炎患者ではIBDのリスクが増加し、 そのリスクは年齢、 アトピー性皮膚炎の重症度、 およびIBDの種類により異なっていた。 これらの知見はアトピー性皮膚炎とIBDの関連についての新たな知見を提供するものであり、 アトピー性皮膚炎の全身治療を行う際、 特に消化器症状が合併する可能性のある患者に対して、 これらのリスクを考慮する必要がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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