海外ジャーナルクラブ
8日前

Barnesらは、 12歳以上17歳未満のオーストラリアの青少年を対象に、 16歳未満のSNSアカウント保有を制限する法律(Social Media Minimum Age Act 2024) の影響を回帰不連続デザインによる観察研究で検討した。 その結果、 法律の施行から約3ヵ月後も16歳未満の85%超が規制対象のプラットフォームを利用していると回答し、 法律の導入後に青少年のSNSの利用が減少したことを支持するエビデンスは得られなかった。 研究結果はBMJ誌に発表された。
オーストラリアでは16歳は、 性的同意年齢、 運転免許取得、 学校教育の移行など社会的・発達的に重要な時期であり、 これらの変化自体がソーシャルメディア利用に影響した可能性があります。
オーストラリアは、 指定されたSNSプラットフォームでアカウントを保有できる年齢の下限を16歳とする法律 (Social Media Minimum Age Act 2024) を世界で初めて導入した。しかし、 この法律が青少年のSNS利用に及ぼした影響は明らかにされていない。 本研究は、 規制の対象となっているプラットフォームの利用実態に加え、 年齢確認を求められた経験および年齢確認を回避しようとした経験などを明らかにすることを目的とした。
本研究は、 オーストラリア全土で実施された地域住民ベースの観察研究である。同法の施行時点で12歳以上17歳未満の青少年を対象とし、 施行直前 (ベースライン) と施行から約3ヵ月後の2時点のデータを収集した。 共主要評価項目は、 自己申告に基づく過去7日間のSNS利用 (毎日の利用か否か) と1日あたりのSNS利用時間であった。 同法がソーシャルメディア利用に与えた影響の評価にはシャープ回帰不連続デザインを用いた。 年齢の閾値の両側におけるアウトカムの差は、 三角カーネル関数を用いた局所線形回帰によって推定した。
ベースラインで登録された436例のうち408例から追跡データが得られた。 追跡時点で16歳未満の参加者の85%超が規制対象のSNSプラットフォームを利用していると回答し、 その多く (54-68%) は自身のアカウントを使用していた。
自身のアカウントを使用していた参加者のうち66%が、 プラットフォーム上で年齢確認を求められたことがあったと回答した。 最も多かった年齢確認の方法は自己申告による年齢の入力 (24~39%) と顔写真のアップロード (13~27%) であった。 制限を回避する試みとして、 偽アカウントの使用 (15-19%) やプライベートブラウザ経由でのアクセス (6~11%) の経験も報告された。
ベースラインから追跡時点にかけて、 毎日SNSを利用していた青少年の割合は12~13歳では変化がみられず、 14~15歳では78%から69%にやや低下し、 16歳超では80%から89%に上昇していた。 1日あたりのSNSの利用時間は12~13歳と16歳超では変化がみられなかったが、 14~15歳では順序尺度で3.40から3.13に低下していた。回帰不連続デザインによる解析では、 これら共主要評価項目について、 年齢閾値での不連続性を支持する十分なエビデンスは得られなかった (p≥0.60)。
著者らは、 「この法律はソーシャルメディア・プラットフォームへのアクセス開始を遅らせ、 オンライン上の有害な影響を軽減することを目的としているが、 施行直後の時点では、 16歳未満の青少年の自己申告に基づくSNS利用が実質的に減少したことを示すエビデンスはほとんど得られなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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