海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前

Cummingsらは、 米国において、 切除可能なALK陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 ALK阻害薬アレクチニブの術後療法の費用対効果を、 既存の第Ⅲ相ALINA試験などのデータを基にコホートレベルのマルコフモデルを用いてプラチナベースの化学療法と比較評価した。 その結果、 アレクチニブはより効果的かつ低コストであり、 費用対効果において優れていた。 本研究はAm J Clin Oncol誌において発表された。
費用効果分析の約8割が費用対効果ありと報告されており、 この傾向にはスポンサーシップや報告バイアスの影響が指摘されています。 特に有害事象コストの見積もり方が結果を左右する重要因子とされています。

切除可能なⅠB~ⅢA期のALK陽性NSCLC患者に対し、 米国の社会的視点を用いて、 術後療法におけるアレクチニブとプラチナベースの化学療法の費用対効果を比較評価した。
術後療法におけるアレクチニブとプラチナベースの化学療法の費用対効果を比較評価するために、 生涯 (40年) を時間軸とし、 月単位のサイクル長と、 健康状態の効用および費用に対する3%の割引率を用いて開発したコホートレベルのマルコフモデルを開発した。
患者は疾患のない健康状態から開始し、 その後の健康状態には、 治療済み (1次治療または2次治療) または未治療の転移性・非転移性再発、 あるいは死亡が含まれた。
患者特性、 術後療法のパターン、 健康状態の効用は、 第Ⅲ相ALINA試験に基づいて設定された。
生涯にわたる測定において、 アレクチニブによる術後療法は、 プラチナベースの化学療法と比べて、 質調整生存年 (QALY) を3.1年延長、 患者1例あたりの総費用を42万9,925ドル削減すると推定され、 アレクチニブで優位的な費用対効果比 (より効果的かつ低コスト) を示した。
QALYあたり15万ドルの支払意思額 (WTP) 閾値において、 アレクチニブの純金銭便益 (net monetary benefit) は89万5,766ドルであった。
確率的感度分析では、 アレクチニブによる術後療法が、 プラチナベースの化学療法と比べて効果的かつ低コストである確率は99.6%であった。
一次元感度分析においてすべてのモデル入力値を変動させても、 アレクチニブによる術後療法の増分費用対効果比は依然として優位であった。
著者らは 「アレクチニブによる術後療法は、 プラチナベースの化学療法と比べて社会に多大な臨床的価値と経済的価値をもたらす」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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