海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Blechterらは、 遺伝要因と環境要因を組み合わせることにより、 非喫煙者の肺腺癌リスクをより正確に推定できるかどうかを症例対照研究で検討した。 その結果、 非喫煙女性における環境中のタバコ煙 (ETS) の曝露レベルに応じて、 遺伝的感受性に基づく肺腺癌のリスクに差が認められ、遺伝要因と環境要因を組み合わせることで肺腺癌絶対リスクを予測できる可能性が示された。 本研究は、 JAMA Netw Open誌において発表された。
環境タバコ煙の暴露が家庭、 職場で never vs everで聞かれていることから、 かなり大まかな割り付けになっています。
非喫煙者の肺癌のリスク推定は、 肺癌検診プログラムの策定において重要である。
台湾・Taiwan Genetic Epidemiology Study of Lung Adenocarsinoma (GELAC) に登録された喫煙歴のない女性
PRSおよびETS曝露レベル、 および台湾の肺癌罹患率を用いて、 対照群の40歳女性のその後40年間の肺腺癌絶対リスクを推定した。
ETS曝露歴のない女性:2.5%
範囲、 0.6%-10.3%
家庭または職場でETSに曝露していた女性:3.7%
範囲 0.6-14.5%
家庭と職場の両方でETSに曝露していた女性:5.3%
範囲 1.2-12.1%
ETSとPRSの間には、 正の加法的交互作用が認められた。
相互作用のp=6.5×10-4
今回の症例対象研究の結果から、アジアの非喫煙女性における肺腺癌の絶対リスクについて、ETSへの曝露と遺伝的感受性の統合データを使用して層別化するための予備的な知見が示された。今後、追加の危険因子を同定した上で代表的な人口モデルでリスク予測モデルを構築し検証することで、非喫煙者に対する肺癌スクリーニング精度の向上に役立つ情報が得られると考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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