【Lancet】抗Trop-2抗体ADCでHR陽性HER2陰性乳癌のOS改善:TROPiCS-02最終解析
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【Lancet】抗Trop-2抗体ADCでHR陽性HER2陰性乳癌のOS改善:TROPiCS-02最終解析

【Lancet】抗Trop-2抗体ADCでHR陽性HER2陰性乳癌のOS改善:TROPiCS-02最終解析
Rugoらは、 ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性転移性乳癌の患者を対象に、 抗Trop-2抗体薬物複合体(ADC)であるsacituzumab govitecanが全生存期間 (OS) に与える影響を非盲検多施設共同第Ⅲ相無作為化試験TROPiCS-02で検討。 同試験の最終解析の結果、 sacituzumab govitecanは対照の化学療法群に対してOSを有意に改善したことが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。 

📘原著論文

Overall survival with sacituzumab govitecan in hormone receptor-positive and human epidermal growth factor receptor 2-negative metastatic breast cancer (TROPiCS-02): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial. 2023. Aug.23

👨‍⚕️監修医師のコメント

最近の傾向では、 最初のimpactの強い途中結果の解析は5大雑誌に掲載されて、 最終結果はJCOというパターンが多いですが、 本研究はその逆になっています。

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乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

sacituzumab govitecanは、 既に治療を受けたHR陽性HER2陰性の転移性乳癌患者において、 化学療法と比較し、 有意に無増悪生存期間 (PFS) 延長効果を示すことがTROPiCS-02試験において確認されている。

研究デザイン

対象

HR陽性およびHER2陰性が確認された局所再発の手術不能または転移性乳癌患者

介入

患者は以下の群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • sacituzumab govitecan群:272例
  • 化学療法群:271例
エリブリン、 ビノレルビン、 カペシタビン、 ゲムシタビンのいずれかを担当医が選択

主要評価項目

無増悪生存期間 (PFS)

副次評価項目

OS、 客観的奏効率 (ORR)、 患者報告アウトカム

研究結果

OS

OSは、 化学療法群に比較しsacituzumab govitecan群において有意に改善した。

  • sacituzumab govitecan群:14.4カ月
  • 化学療法群:11.2カ月
HR 0.79、 95%CI 0.65-0.96、 P=0.020

この生存便益はTrop-2発現レベルで分けられたサブグループ間においても一貫していた。

ORR

ORRも、 化学療法群に比較しsacituzumab govitecan群で有意に高かった。

  • sacituzumab govitecan群:21%
  • 化学療法群:14%
OR 1.63、 95%CI 1.03-2.56、 P=0.035

患者報告アウトカム

全体的な健康状態とQOL、 および倦怠感の悪化までの時間についてもsacituzumab govitecanで有意に改善した。

全体的な健康状態とQOL悪化までの時間 (中央値)

  • sacituzumab govitecan群:4.3カ月
  • 化学療法群:3.0カ月
HR 0.75、 95%CI 0.61-0.92、 P=0.0059

倦怠感の悪化までの時間 (中央値)

  • sacituzumab govitecan群:2.2カ月
  • 化学療法群:1.4カ月
HR 0.73、 95%CI 0.60-0.89、 P=0.0021

安全性評価

sacituzumab govitecanの安全性プロファイルは以前の研究と一致していた。

治療に関連する有害事象

sacituzumab govitecan群において治療に関連する致命的な有害事象 (好中球減少性大腸炎による敗血症性ショック) が1件発生した。

結果の解釈

sacituzumab govitecanは化学療法と比較し、 有意かつ臨床的に意味のある効果を示した。 OS中央値は3.2カ月改善し、 安全性プロファイルも管理可能であった。 このデータは、 治療歴のあるHR陽性HER2陰性の転移性乳癌患者に対する新しい治療選択肢としてのsacituzumab govitecanを支持するものである。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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