海外ジャーナルクラブ
7日前

Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Groupは、 閉経前のエストロゲン受容体 (ER) 陽性早期乳癌患者を対象に、 卵巣機能抑制 (OFS) が乳癌転帰に及ぼす影響を検証した。 さらに、 その効果が閉経状態やタモキシフェン使用の有無によって異なるかどうかについて、 無作為化比較試験の個別患者データを用いたメタ解析にて検証した。 その結果、 23試験の1万5,075例の解析にて、 OFSは浸潤性乳癌再発を有意に低下させ、 特に化学療法後も閉経前であった患者で効果が大きかった。 化学療法後閉経前女性では、 タモキシフェン未使用例で再発リスクが39%低下、 使用例でも21%低下した。 試験結果はLancet誌に発表された。
本研究の限界として、 多くの試験が1980年代以前に実施されており、 ER測定、 再発診断、 術後補助療法が現在ほど標準化されていなかった点が挙げられます。
閉経前のER陽性早期乳癌において、 切除または薬物療法での卵巣機能抑制 (OFS) による追加保護効果は、 化学療法後の閉経状態やタモキシフェン使用の有無により異なる可能性がある。
本研究では、 閉経前女性におけるOFSの乳癌転帰への影響と、 その効果が患者・腫瘍特性や他治療により異なるかどうかをメタ解析にて評価した。
本メタ解析では、 無作為化時点で閉経前かつ55歳未満のER陽性またはER不明の早期乳癌女性を対象に、 OFSの有無を比較した無作為化比較試験の個別患者データを用いた。
主要評価項目は、 浸潤性乳癌再発、 乳癌死亡、 その他の死亡、 および全死亡とし、 イベント発生率比 (RR) を推定した。
23試験の1万5,075例において、 OFSは再発率を有意に低下させた (RR 0.82、 95%CI 0.77-0.87、 p<0.00001)。 効果は、 化学療法後も閉経前の女性または化学療法未実施例で、 化学療法後の閉経前状態が未確認の女性より大きかった (異質性p=0.0004)。
化学療法後も閉経前であった女性では、 OFSにより再発率が有意に低下した。 この効果はタモキシフェン併用の有無にかかわらず認められたが、 効果量はタモキシフェン非併用試験でより大きかった。
化学療法後も閉経前であった女性でのOFS再発抑制効果
また、 タモキシフェン併用試験では、 OFSによる再発抑制効果は45~54歳より45歳未満で大きい傾向がみられた (p=0.072)。 45歳未満では乳癌死亡も有意に低下した (RR 0.74、 95%CI 0.58-0.94、 p=0.012)。
タモキシフェン併用試験でのOFS再発抑制効果
著者らは、 「閉経前ER陽性早期乳癌女性では、 化学療法/タモキシフェン実施例でもOFSは15年間の再発リスクおよび死亡リスクを有意に低下させる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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