HOKUTO編集部
1年前
進行固形癌に対する抗TIGIT抗体ociperlimab+抗PD-1抗体tislelizumab+化学療法併用療法の安全性および有効性を検証した非盲検の第Ⅰ/Ⅰb相試験AdvanTIG-105の用量拡大パートの解析から、 未治療な進行胃・食道胃接合部癌癌に対し、 同併用療法は忍容性が高く、 有望な抗腫瘍活性を有することが認められた。 韓国・The Catholic University of KoreaのByoung Yong Shim氏がASCO Breakthrough 2023で発表した。
非盲検の第Ⅰ/Ⅰb相試験AdvanTIG-105の用量漸増パートでは、 進行固形癌患者を対象に、 ociperlimab+tislelizumab+化学療法による併用療法に良好な忍容性と予備的な抗腫瘍活性が認められ、 第Ⅱ相推奨用量としてociperlimab 900mg+tislelizumab 200mg (3週間毎に静脈内投与) が決定されたことが、 2021年の米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2021) などで報告されている。
組織学的または細胞学的にIV期の胃/食道胃接合部癌で、 転移病変に対する治療が未治療の患者。 安全性評価は60例、 有効性評価は59例が対象。
ociperlimab+tislelizumab (第Ⅱ相推奨用量)+オキサリプラチン (130mg/m²、day1)+カペシタビン (1,000mg/m²、day1-14、3週間毎、6サイクル) 併用療法を行い、 その後に維持療法としてociperlimab+tislelizumab+カペシタビン (3週間毎)、 またはociperlimab+tislelizumab+シスプラチン (75mg/m²)+5-FU (750-800mg/m²、3週間毎、 6サイクル) を投与。 治療は病勢進行または許容できない毒性の発現、 同意撤回に至るまで投与を継続した。
主要評価項目:RECIST v1.1に基づき担当医が評価した全奏効率 (ORR)
年齢中央値61.5歳(範囲35~82歳)、 女性26.7%
PD-L1発現が5%以上 (27例)
PD-L1発現が5%未満 (28例)
治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は以下の通り。
進行胃・食道胃接合部癌患者において、 ociperlimab+tislelizumab+化学療法の併用療法は忍容性が高く、 有望な抗腫瘍活性を示した。 現在、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 食道癌、 頭頸部扁平上皮癌の各症例において用量拡大パートが進行中である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。