ociperlimab+tislelizumab+化学療法が未治療進行胃癌で有望:AdvanTIG-105
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HOKUTO編集部

1年前

ociperlimab+tislelizumab+化学療法が未治療進行胃癌で有望:AdvanTIG-105

ociperlimab+tislelizumab+化学療法が未治療進行胃癌で有望:AdvanTIG-105
進行固形癌に対する抗TIGIT抗体ociperlimab+抗PD-1抗体tislelizumab+化学療法併用療法の安全性および有効性を検証した非盲検の第Ⅰ/Ⅰb相試験AdvanTIG-105の用量拡大パートの解析から、 未治療な進行胃・食道胃接合部癌癌に対し、 同併用療法は忍容性が高く、 有望な抗腫瘍活性を有することが認められた。 韓国・The Catholic University of KoreaのByoung Yong Shim氏がASCO Breakthrough 2023で発表した。

AdvanTIG-105試験の概要

背景

非盲検の第Ⅰ/Ⅰb相試験AdvanTIG-105の用量漸増パートでは、 進行固形癌患者を対象に、 ociperlimab+tislelizumab+化学療法による併用療法に良好な忍容性と予備的な抗腫瘍活性が認められ、 第Ⅱ相推奨用量としてociperlimab 900mg+tislelizumab 200mg (3週間毎に静脈内投与) が決定されたことが、 2021年の米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2021) などで報告されている。

対象 (同試験のコホート9)

組織学的または細胞学的にIV期の胃/食道胃接合部癌で、 転移病変に対する治療が未治療の患者。 安全性評価は60例、 有効性評価は59例が対象。

今回は、 進行胃・食道胃接合部癌患者を対象とした用量拡大パート (コホート9) の結果が報告された (追跡期間中央値44.2週)。

方法

ociperlimab+tislelizumab (第Ⅱ相推奨用量)+オキサリプラチン (130mg/m²、day1)+カペシタビン (1,000mg/m²、day1-14、3週間毎、6サイクル) 併用療法を行い、 その後に維持療法としてociperlimab+tislelizumab+カペシタビン (3週間毎)、 またはociperlimab+tislelizumab+シスプラチン (75mg/m²)+5-FU (750-800mg/m²、3週間毎、 6サイクル) を投与。 治療は病勢進行または許容できない毒性の発現、 同意撤回に至るまで投与を継続した。

評価項目

主要評価項目:RECIST v1.1に基づき担当医が評価した全奏効率 (ORR)

主な副次的評価項目:担当医評価による無増悪生存期間 (PFS)、 奏効期間 (DoR)、 RECIST v1.1基準に基づく病勢コントロール率 (DCR)、 安全性
主な探索的評価項目:全生存期間 (OS)

患者背景

年齢中央値61.5歳(範囲35~82歳)、 女性26.7%

AdvanTIG-105試験の結果

有効性評価

  • ORR:57.6% (95%CI 44.1-70.4%)
  • PFS中央値:7.3カ月 (同5.2-9.8カ月)
  • 6カ月PFS率 (95%CI):57.0% (同42.9-68.8%)
  • DoR中央値:8.1カ月 (同4.7-10.0カ月)
  • DCR:86.4% (同75.0-94.0%)
  • サブグループ解析

PD-L1発現が5%以上 (27例)

  • ORR:63.0% (95%CI 42.4-80.6%)
  • DCR:85.2% (同66.3-95.8%)
  • DoR中央値:8.4カ月 (同7.0カ月-未到達)

PD-L1発現が5%未満 (28例)

  • ORR:57.1% (95%CI 37.2-75.5%)
  • DCR:85.7% (同67.3-96.0%)
  • DoR中央値:4.7カ月 (同3.2-10.0カ月)

安全性評価

治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は以下の通り。

  • グレード3以上のTRAE:76.7% (46例)
  • ociperlimabまたはtislelizumabの治療中止に至ったTEAE:いずれも8.3% (5例)
  • 重篤なTRAE:50.0% (30例)
  • 致死的なTRAE:3.3% (2例)
  • 最も頻度の高いTRAE:貧血 (46.7%)、 血小板減少 (41.7%)

Shim氏らの結論

進行胃・食道胃接合部癌患者において、 ociperlimab+tislelizumab+化学療法の併用療法は忍容性が高く、 有望な抗腫瘍活性を示した。 現在、 非小細胞肺癌、 小細胞肺癌、 食道癌、 頭頸部扁平上皮癌の各症例において用量拡大パートが進行中である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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