海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Alduaijらは、 カナダにおけるMYCとBCL2の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫 (HGBCL-DH-BCL2) 患者を対象に、 用量調整EPOCH-R療法 (DA-EPOCH-R) *導入による生存転帰を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 DA-EPOCH-R導入により2年全生存 (OS) 率が有意に改善したことが明らかになった。 本研究はBlood Adv誌において発表された。
本研究の限界として、 両時期ともに全患者で評価可能な蛍光 in situ ハイブリダイゼーション (FISH) の結果が得られていない点があります。

HGBCL-DH-BCL2は、 標準的な化学免疫療法後の予後不良と関連しており、 用量強化レジメンの使用が推奨されている。 一方で、 症例数が少ないため、 無作為化比較試験が実施できず、 また後ろ向きの比較研究では選択バイアスがあるため、 強化レジメンの有用性は不明である。
2015年、 カナダ・ブリティッシュコロンビア州 (BC) の医療施設BC Cancerでは、 ルーチン染色体検査でHGBCL-DH-BCL2が確認された75歳以下の適格患者に対し、 DA-EPOCH-Rを推奨するBCガイドラインを導入した。
そこで本研究では、 BCガイドラインの影響を評価するため、 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) 形態を示す新規発症のHGBCL-DH-BCL2患者からなる以下の2つの時代別コホートの転帰を後ろ向きで比較した。
HGBCL-DH-BCL2患者の2年OS率は、 DA-EPOCH-R時代コホートが75%であり、 過去の時代コホートの47%と比べて有意に改善した (p=0.008)。
一方で、 DLBCL-NOS (他に分類されない) 患者の2年OS率は、 両時代コホート間で有意差が認められなかった (78% vs 76%、 p=0.17)。
HGBCL-DH-BCL2のうち、 免疫グロブリンMYCパートナー遺伝子座を有する腫瘍 (43%) およびダークゾーンシグネチャーを発現する腫瘍 (77%) が、 最も顕著な2年OS率改善と関連していた。
DA-EPOCH-R時代コホートにおいて、 濾胞性リンパ腫 (FL) から組織学的に転化したHGBCL-DH-BCL2症例を解析した結果、 転化前に化学免疫療法を受けていない患者の転帰は新規発症例と同等であった。 一方、 転化前にFLに対して化学免疫療法を受けた患者は予後不良であった。
著者らは 「本研究の結果は、 DLBCL形態を示すHGBCL-DH-BCL2を有する特定の患者において、 DA-EPOCH-Rの使用を支持するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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