海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Broderickらは、 自発性脳出血患者を対象に、 発症2時間以内の遺伝子組換え第Ⅶa因子 (rFⅦa) 投与の臨床アウトカムへの効果をプラセボ対照無作為化比較試験 (FASTEST) で検証した。 その結果、 rFⅦa群は血種の増大は抑制したものの、 機能的アウトカム指標である180日時点の修正版Rankin Scaleについてはプラセボ群との間に差を認めなかった。 一方で、 rFⅦa群では、 投与後4日以内の生命を脅かす血栓塞栓症イベントがわずかに増加した。 試験結果はLancet誌に発表された。
Negative studyでもしっかりとLancetに掲載されているところが評価に値します。 サブ解析の結果では90分以内に治療を受けた場合に、 効果が期待されそうです。
遺伝子組換え第Ⅶa因子 (rFⅦa) は脳出血 (ICH) 患者の出血進行を抑制することが示されているが、 臨床アウトカムの改善効果は証明されていない。
そこで本研究では、 急性自発性ICH患者におけるrFⅦaの安全性、 臨床効果、 および出血抑制効果を評価した。
本研究は、 日本を含む6ヵ国で実施された第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照適応型無作為化比較試験 (FASTEST) である。 対象は発症2時間以内に治療可能であった自発性ICH患者とし、 rFⅦa群またはプラセボ群に1:1で割り付けた。
主要評価項目は180日時点の修正版Rankin Scale (mRS) による機能的アウトカムとし、 主要安全性評価項目は投与後4日以内の生命を脅かす血栓塞栓イベントとした。
副次評価項目は、 投与前後24時間のICH体積、 ICH+IVH (脳室内出血) 体積の変化である。
626例を無作為化した (rFⅦa群 : 328例、 プラセボ群 : 298例)。 発症から治療投与までの平均時間は100分であった。
180日時点のmRSによる機能的アウトカムは、 両群間で有意差を認めなかった (調整後共通オッズ比 1.09、 95%CI 0.79-1.51、 p=0.61)。 なお同試験は、 2回目の中間解析で事前に規定された無益性基準に到達したため、 早期中止となった。
一方で、 24時間時点の画像評価では、 rFVIIaはプラセボと比較して血腫増大を有意に抑制した。
rFVIIaによる血腫増大抑制
投与後4日以内の生命を脅かす血栓塞栓症は、 rFⅦa群で増加した。
血栓塞栓症
RR 3.41 (95%CI 1.14-10.15、 p=0.020)
著者らは、 「ICH発症2時間以内のrFⅦa投与は血腫増大を遅延させたが、 機能的アウトカムは改善できず、 生命を脅かす血栓塞栓症リスクをわずかに増加させた。 出血継続リスクの高い患者での追加評価は継続中である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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