HOKUTO編集部
1ヶ月前

HER2陰性/CLDN18.2陽性の局所進行または転移性胃/食道胃接合部 (G/GEJ) 腺癌において、 抗CLDN18.2抗体ゾルベツキシマブ+抗PD-1抗体ニボルマブ+mFOLFOX6併用療法の有効性および安全性を評価した第II相試験ILUSTROの結果から、 良好なPFSが示された。 国立がん研究センター東病院消化管内科科長の設樂紘平氏が発表した。
G/GEJ腺癌の1次治療では、 バイオマーカーに基づく治療が標準的である。 CLDN18.2陽性例へのゾルベツキシマブは、 化学療法との併用で生存期間を延長することが示されており、 前臨床モデルでは抗PD-1抗体との併用による相乗効果も示唆されている。
ILUSTRO試験の対象は、 未治療のHER2陰性かつCLDN18.2陽性 (中等度発現[腫瘍細胞の50%以上75%未満が陽性]および高発現[75%以上が陽性]) の局所進行または転移性G/GEJ腺癌患者だった。 試験は安全性評価を行うコホート4A (12例) と、 拡大解析を行うコホート4B (71例) の2コホートで構成された。
コホート4Bでは、 ゾルベツキシマブ (初回800mg/m²、 2回目以降400mg/m²) +ニボルマブ240mg+mFOLFOX6*を2週毎に投与し、 5サイクル目以降はオキサリプラチンを除外してフルオロウラシル+レボホリナートとの併用を継続した。
主な評価項目は、 担当医師判定による無増悪生存期間 (PFS)、 奏効率 (ORR)、 全生存期間 (OS) などだった。
解析対象 (コホート4A+4B) の年齢中央値は61.0歳、 アジア人が79.1%を占めた。 CLDN18.2高発現は85.5%で、 PD-L1 CPS≧1は65.3%だった。
コホート4BにおけるPFS中央値は14.8ヵ月 (95%CI 8.3ヵ月-NE) で、 PFS率は6ヵ月で72.6%、 12ヵ月で59.1%だった。
またCLDN18.2高発現集団 (59例) のPFS中央値は18.0ヵ月 (95%CI 11.1ヵ月-NE) と良好な結果が得られた一方で、 中等度発現集団 (11例) では6.7ヵ月 (同 3.0ヵ月-NE) だった。 PD-L1 CPS≧1かつCLDN18.2高発現の集団 (36例) では、 PFS中央値が23.6ヵ月に達した。
コホート4Bのうち、 測定可能病変を有する58例におけるORRは62.1% (95%CI 48.4-74.5%) で、 CLDN18.2高発現集団 (47例) では68.1% (同 52.9-80.9%) だった。
OSはデータカットオフ時点でimmatureだったものの、 CLDN18.2高発現集団は中等度集団に比べ良好な傾向を示した (中央値 : NE vs 9.6ヵ月)。
治療中に発現した有害事象 (TEAE) は98.7%で、 うちGrade 3以上は66.2%だった。 主なTEAEは悪心 (80.5%)、 食欲不振 (72.7%)、 末梢性感覚神経障害 (45.5%)、 好中球数減少 (45.5%) などであり、 ゾルベツキシマブまたはニボルマブと化学療法の併用における既報のプロファイルと一致していた。
設樂氏は 「ゾルベツキシマブ+ニボルマブ+mFOLFOX6併用療法は、 HER2陰性かつCLDN18.2陽性の進行G/GEJ腺癌で、 PD-L1 CPS≧1症例に対する有望な治療戦略となり得る」 と報告した。
本試験の結果に基づき、 ゾルベツキシマブ+ペムブロリズマブ+化学療法を評価する第III相LUCERNA試験が進行中であるという。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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