海外ジャーナルクラブ
2年前
Antoniotti Cらは、 未治療の転移性大腸癌患者を対象に、 一次治療 (FOLFOXIRI+BEV) に抗PD-L1薬アテゾリズマブの追加効果を検討する第Ⅱ相試験を実施した(AtezoTRIBE). 結果、 アテゾリズマブの追加は無増悪生存率 (PFS) を改善することが明らかとなった. 本研究は、 Lancet Oncol誌において発表された.
これまでの研究において、 ミスマッチ修復機能欠損がない (pMMR) あるいはマイクロサテライト安定性 (MSS) の転移性大腸がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の臨床的有用性は示されていなかった. FOLFOXIRI+BEVは、 pMMRまたはMSS腫瘍の免疫原性を高めることができると予想されている.
FOLFOXIRI + BEV
FOLFOXIRI+BEV+アテゾリズマブ
2018年11月30日から2020年2月26日までの間に218人の患者が割り当てられ治療を受けた (対照群73人、 アテゾリズマブ群 145人).
<無増悪生存期間 (PFS)中央値>
修正HR 0.70、 80%CI 0.57~0.87、 p=0.018
<グレード3-4の有害事象>
好中球減少症
下痢
発熱性好中球減少症
重篤な有害事象は、 アテゾリズマブ群39例 (27%) 、 対照群19例 (26%) で報告された. 治療関連死は、 アテゾリズマブ群で2例 (1%) (急性心筋梗塞、 気管支肺出血による) が報告され、 対照群では報告されなかった.
Antoniotti Cらは「FOLFOXIRI+ベバシズマブの初回治療にアテゾリズマブを追加することは安全であり、 前治療歴のない転移性大腸がん患者における無増悪生存率を改善した」と結論づけている.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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