海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Peyrin-Birouletらは、 中等症から重症のクローン病患者を対象に、 リサンキズマブの有効性および安全性について、 ウステキヌマブを対照に第Ⅲb相多施設共同非盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 リサンキズマブは24週時の臨床的寛解についてはウステキヌマブに対して非劣性であり、 48週時の内視鏡的寛解についてはウステキヌマブより優れていた。 本研究はNEJMで発表された。
有効性に関して事前に時間軸で非劣性、 優越性基準を両方設定して結果としてはその両方をクリアし、 また安全性はコントロールと差がないという形でNEJMで公表されています。 今後のRCTの見本となる研究です。
クローン病 (CD) 患者における、 ウステキヌマブと比較したリサンキズマブの有効性および安全性は、 明らかになっていない。
抗腫瘍壊死因子 (TNF) 療法で効果不十分であったか、 許容できない副作用がみられた中等症~重症のCD患者
第Ⅲb相多施設共同非盲検無作為化比較試験 (評価項目の評価は盲検下)。
患者をリサンキズマブ群またはウステキヌマブ群に無作為に割り付け、 各薬剤を標準用量で48週間投与した。
主要評価項目
安全性
リサンキズマブまたはウステキヌマブを1回以上投与した全患者を対象に評価した。
有効性解析のfull intention-to-treat populationにおいて、 治療を完了した割合はリサンキズマブ群では90.2% (230/255例)、 ウステキヌマブ群では72.8% (193/265例) であった。
リサンキズマブのウステキヌマブに対する非劣性が示された。
補正後の差 : 18.4%㌽
(95%CI 6.6-30.3%㌽)
リサンキズマブのウステキヌマブに対する優位性が示された。
補正後の差 : 15.6%㌽
(95%CI 8.4-22.9%㌽)、 p<0.001
有害事象の発現率は両群で同様であった。
著者らは 「抗TNF療法で許容できない副作用がみられたか、 効果不十分であった中等症~重症のCD患者を対象としたリサンキズマブとウステキヌマブの直接比較試験において、 リサンキズマブは、 24週時の臨床的寛解についてはウステキヌマブに対して非劣性であり、 48週時の内視鏡的寛解についてはウステキヌマブの優越性を示した」 と結論にて述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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