【Blood Adv】高悪性度B細胞リンパ腫、CAR-T失敗後のICIで転帰改善せず
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【Blood Adv】高悪性度B細胞リンパ腫、CAR-T失敗後のICIで転帰改善せず

【Blood Adv】高悪性度B細胞リンパ腫、CAR-T失敗後のICIで転帰改善せず
Majorらは、CAR-T細胞療法失敗後の高悪性度のB細胞リンパ腫患者を対象に、抗PD-1抗体を用いたチェックポイント阻害薬(CI)による治療の臨床転帰を後ろ向きコホート研究で検討。その結果、ICIによる治療はCAR-T細胞療法後のほとんどの患者にとって有効な救済戦略ではないことが明らかとなった。本研究はBlood Adv誌において発表された。

📘原著論文

Efficacy of checkpoint inhibition after CAR-T failure in aggressive B-cell lymphomas: Outcomes from 15 U.S. institutions.Blood Adv. 2023 Apr 7;bloodadvances.2023010016. PMID: 37026796

👨‍⚕️監修医師のコメント

本研究のようにRCTではなく、後ろ向きコホートのReal world、multicenterのデータで治療効果がないというのは一般化できる結論になると思います。

🔢関連コンテンツ

NCCN-IPI

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の国際予後指標

R-IPI

DLBCLの修正国際予後指標 (revised IPI)

CNS-IPI

DLBCLのCNS再発リスクスコア

背景

抗PD-1抗体を用いたICIによる治療は、CAR-T細胞療法失敗後の高悪性度のB細胞リンパ腫患者の小コホートにおいて、さまざまな転帰と関連していた。

研究デザイン

対象

CAR-T細胞療法失敗後にICIによる治療を受けた患者:96例

介入

  • 患者の53%はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で、アキシカブタゲン シロルユーセル(Axi-cel)による治療を受けた。
  • 83%はCAR-T細胞療法後180日以内に再発し、ペムブロリズマブ(49%)またはニボルマブ(43%)の投与を受けた。

研究結果

ICIの全奏効率、完全奏効率

  • 全奏効率:19%
  • 完全奏効率:10%
  • 奏効期間中央値:221日

無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)中央値

  • PFS:54日
  • OS:159日

ICIによる転帰

原発性縦隔B細胞リンパ腫の患者において有意に改善された。

CAR-T後の再発期間の差異によるPFS、OS

PFS

  • CAR-T後の再発が180日超:128日
  • CAR-T後の再発が180日未満:51日

OS

  • CAR-T後の再発が180日超:387日
  • CAR-T後の再発が180日未満:131日

グレード3以上の有害事象

ICI治療患者の19%に発生した。

患者死亡の原因

ほとんどの患者(83%)が死亡し、その多くは病気の進行が原因であった。

ICI治療の持続的な奏効

ICI治療で持続的な奏効を示したのは5%のみであった。

結論

CAR-T細胞療法後に再発し、ICIによる治療を受けた高悪性度のB細胞リンパ腫患者の最大規模のコホートにおいて、特にCAR-T細胞療法後、後早期に再発した患者は予後不良であることが明らかとなった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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