寄稿ライター
2年前
「お受験」 って聞いたことありますか。最近では中学受験の過熱がクローズアップされますが、 新連載 「先生のとこ、お受験どうしました?」 では、 ママさん医師の玲奈先生に、 医師家庭にとっての 「お受験」 について解説してもらいます。
「お受験」 は一般的に、 未就学の低年齢の子供が名門幼稚園や小学校へ進学するための受験を指します。 受験といっても小さいお子さまに何を習得させるのか、 イメージがわかない方も多いと思います。
実際の考査では①数や形、 常識を問うペーパー ②運動 ③絵画や制作 ④お友達との関わりを見る行動観察 ⑤本人や両親への面接――などがあります。 これらは平均的な当該年齢の子供以上の能力を要求されることが多く、 受験の2〜3年前から専門の幼児教室に通って準備をする家庭がほとんどです。
次に、 進学先の選択肢について見てみましょう。 国立小学校は学費が安いこともあり、 倍率は10倍以上となります。 私立小学校を併願することも多いです。
また、 国立と私立では校風が異なるため、 私立小学校のみを受験する方も稀ではありません。
遊びざかりの幼少期に貴重な時間とお金を投じ、 「お受験」 をする理由はいくつかあります。
1.柔軟な運営が期待できる
「お受験人口」 が増えている背景として新型コロナウイルス感染拡大があるとされています。 全国の小中学校が臨時休校となった際、 一部の私立小学校ではオンラインを展開するなど、 状況に応じて柔軟に対応しました。
2.理念に共感できる学校を選べる
お受験で志願する学校はそれぞれ特徴的な 「理念」 を掲げています。 この理念に共感できる学校を選ぶことで、 学校と家庭の教育方針が一致し、 「どのような子どもに育てたいか」 を実現しやすい環境が得られます。
3.意外に交友関係が広い
地域の学校に通うメリットとして、 多様性にふれる機会が多いことを挙げる風潮があります。 しかし、 個人的には国立小、 私立小こそ多様性があるように感じます。
あらゆる地域から、 学校の理念に惹かれたご家庭のお子様が集まる環境だからです。このご縁は子供の人格形成に大きな影響を及ぼします。
デメリットもあります。 幼少期に大切にするべき 「お外遊び」 の時間が減ってしまうと、 後々の身体能力や視力に影響する可能性を否定できません。
また、聴覚のゴールデンエイジをお受験に懸けるため、 音楽系の習い事や英会話の習得には不利に働くと考えられます。 お受験をした我が子は5歳以下に習得した英会話能力を完全に失ってしまいました。
幼稚園受験や小学校受験を検討する家庭が増えています。 給食を導入したり学童保育を併設したり、 共働き世帯を支えようとする学校も多く、 勤務医ママにとっても身近な存在になりつつあります。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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