海外ジャーナルクラブ
2年前
Maらは、憩室疾患とがん発症の関連について人口ベースのマッチングコホート研究で検討。 その結果、 大腸病理的検査を受けた憩室疾患患者は全がんリスクが33%高いことが明らかとなった。 本研究は、 J Natl Cancer Inst誌において発表された。
憩室疾患とがん発症との関連、 それが大腸がんのみならず、 肺がんや膵臓がんにまで及ぶというのはimpactの強い研究結果です。
仮説の提唱としては十分な研究結果であり、 今後の追研究が期待されるというよりは必ず必要な課題であると言えます。
憩室疾患と大腸がん以外のがん発症に関するデータはほとんどない。
ESPRESSO病理組織コホートと全国レジストリのデータを用いた人口ベースのマッチングコホート研究
中央値6年間の追跡で憩室疾患患者における12,846件のがん罹患と、 一般集団の参照人における43,354件のがん罹患が確認された。
これは、 10年間追跡した憩室疾患患者の16人に1人の割合でがんが余分に発生したことに相当する。
共変量調整後、 憩室疾患群の全がんリスクが33%増加した (95%CI 1.31-1.36)
二次比較対象である兄弟姉妹と比較しても全がんリスクは高かった (HR=1.26、 95%CI 1.21-1.32)
憩室疾患患者は、 結腸癌 (HR 1.71、 95%CI 1.60-1.82)、 肝臓癌 (HR 1.72、 95%CI 1.41-2.10)、 膵癌 (HR 1.62、 95%CI 1.42-1.84)、 肺癌 (HR 1.39-1.61) など、 特定のがんのリスクも増加した。
大腸癌リスクの増加は、 主に追跡開始1年目に限定され、 がんのステージも早期であることがわかった。
大腸病理組織を有する憩室疾患患者は、 全がんのリスクが増加した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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