海外ジャーナルクラブ
1年前
Pollackらは、 Baltimore Regional Housing Partnership housing mobility programに参加した持続性喘息をもつ小児患者を対象に、 住居移動プログラムが喘息症状や増悪に及ぼす影響を前向きコホート研究で検討。 その結果、 低貧困地域への引っ越しを支援するプログラムに家族が参加した喘息の小児患者は、 喘息の症状日数と増悪が大幅に改善した。 本研究はJAMA誌において発表された。
low-poverty neighborhoodということで二重否定のようになってわかりにくいのですが、 high-poverty areasからlow-poverty neighborhoodへの引っ越し、 ということにようです。 アメリカでは、 地域間格差が日本では想像できないくらい激しいので公衆衛生がある程度整っている日本では違う結果になるかもしれません。
構造的人種差別は、 都市部の不利な地域に住む子供たちが経験する不釣り合いなほど高い喘息罹患率に関与している。 喘息の誘因を減らすために考案された現在のアプローチは、 その効果が限定的である。
2016~20年に、 Baltimore Regional Housing Partnership housing mobility programに参加した、 5~17歳の持続性喘息を持つ小児患者:123例
低貧困地域への移動
介護者が報告した喘息の増悪と症状
引越し前の3カ月間に少なくとも1回の増悪があったのは15.1% (SD 35.8)、 引越し後は8.5% (SD 28.0) であった。
この結果は、 URECAデータを用いた傾向スコアマッチング解析でも有意なままであった。
社会的結束、 近隣の安全性、 都市のストレスなどのストレス指標は、 すべて引っ越しによって改善し、 引っ越しと喘息増悪の関連性の29%から35%を媒介すると推定された。
低貧困地域への引っ越しを支援するプログラムに家族が参加した喘息の子どもたちは、 喘息の症状日数と増悪が大幅に改善した。 本研究は、 住宅差別に対抗するプログラムが小児喘息の罹患率を低下させることを示唆する限られたエビデンスに追加された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。