海外ジャーナルクラブ
20日前
Hochhausらは、 新規診断の慢性骨髄性白血病 (CML) 患者を対象に、 BCR::ABL1阻害薬アシミニブの有効性と安全性を第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 アシミニブは医師選択のチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) およびイマチニブと比較して優れた有効性を良好な安全性プロファイルを示した。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。
1年半程度のフォローアップなので、 アシミニブのさらなる有効性を確認するために長期間にわたるフォローアップが必要です。
新たにCMLと診断された患者には、 長期的な有効性と安全性を備えた治療法が求められている。 アシミニブはABLのミリストイルポケットを特異的に標的とするBCR::ABL1阻害薬であり、 既存のATP競合型TKIよりも有効性・安全性に優れ、 副作用が少ない可能性がある。
新規診断のCML患者405例を対象とし、 以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は48週時点の分子遺伝学的大奏効 (MMR) *とし、 アシミニブ群と医師選択 TKI 群、 無作為化前にイマチニブが選択された層におけるアシミニブ群と医師選択 TKI 群との間で比較した。
48週時点におけるMMRの割合はアシミニブ群が67.7%であり、 医師選択のTKI群の49.0%と比較して有意に優れていた 。
48週時点におけるMMRの割合は、 アシミニブ群が69.3%であり、 イマチニブ群の40.2%よりも有意に優れていた。
48週時点におけるMMRの割合は、 アシミニブ群が66.0%であり、 第2世代TKI群の57.8%を上回ったが、 統計的に有意な差は確認されなかった。
グレード3以上の有害事象は、 アシミニブ群が38.0%と、 イマチニブ群の44.4%、 第2世代TKI群の54.9%と比較して少なかった。
また、 試験レジメン中止に至った有害事象の頻度はアシミニブ群が4.5%であり、 イマチニブ群の11.1%、 第2世代TKI群の9.8%を下回っていた。
著者らは、 「アシミニブは、 新規診断のCML患者において、 医師選択TKIおよびイマチニブに対し優れた有効性と良好な安全性プロファイルを示した。 アシミニブと第2世代TKIとの直接比較は主要目的ではなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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