海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Bryanらは、 新規診断膀胱癌 (BC) を対象に、 初回病期分類における膀胱鏡下生検+マルチパラメトリックMRI (mpMRI) の有効性について、 経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TURBT) を対照に、 前向き非盲検無作為化比較試験で比較検証した。 その結果、 初回病期分類にmpMRIを用いることで、 筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC) の治療開始までの期間 (TTCT) が短縮した。 本研究はJ Clin Oncol誌に発表された。
mpMRIを用いた病期分類は、 MIBC患者における確定治療までの時間を45日短縮することが示されました。
TURBTはBCの初回病期分類法として一般的に用いられているが、 MIBCにおいては、TURBTは根治的治療の開始を遅らせる可能性がある。 本研究では、 初回病期分類へのmpMRI導入によるTTCT短縮の可能性を検討した。
英国の17施設における新規BC疑いの患者から適格となった143例が、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
試験は2段階で行われ、 主要評価項目はMIBC疑い例に対するmpMRI実施の可能性、 およびTTCTだった。
実行可能性の段階では、 MIBCの可能性が疑われた36/39例 (92%) が無作為化後にmpMRIを受けた。
MIBC患者のTTCT中央値は、mpMRI群が53日 (95%CI 20-89日)、 TURBT群が98日 (同72-125日) であり、 mpMRI群で有意に短縮していた (log-rank p=0.02)。
NMIBC患者でのTTCT中央値は、 それぞれ17日 (95%CI 8-25日)、 14日 (同10-29日) と、 両群間に有意差は認められなかった (log-rank p=0.67)。
また、 重篤な有害事象は報告されなかった。
著者らは 「mpMRIを用いた初回病期分類は、 MIBCが疑われる患者にとって有益である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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