インタビュー
1年前
新潟南病院は、 2024年春より研修医の受け入れを開始します。目指すのは、 これまでにない 「新世代ジェネラリスト」の育成です。 いったいどんな医師のイメージなのか、 渡部裕院長に教聞きました。
新潟南病院は、 一般的な診療科に加えて、 リハビリ、 歯科、 栄養管理部などの部門も設けており、 多数の疾患がある高齢者への包括的な医療を提供しています。特に訪問診療に力を入れており、 ”地域の大きなかかりつけ医”としての役割を担っています。
ーープログラムの特徴は。
渡部先生「具体的な技術を学びたい、 手技の経験を積みたい、 内視鏡を操作したいなど、 特定のニーズに対応し、 研修医の希望に応じたプログラムを計画しています。研修医1年目は、 県外の救急ハイボリュームセンターで救急医療の経験を積みます。2年目は当院で、 地域医療と総合診療を中心とした研修を行います」
「急性期から回復期までの継続的な医療、 回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟の活用、 訪問診療など、 多様な疾患を持つ高齢者への総合的な医療について学びます。こうした取り組みを通じて、 地域医療と高度な救急医療の両方に理解とスキルを持つ医師の育成を目指します」
「一般的にジェネラリストは、 患者全体の健康状態の管理や広範囲の医療問題の診療を行う総合診療医として認識されることが多いですが、 救急医療と地域医療の両面に対応できる新世代のジェネラリストの育成を目指しています。これは、 高齢化社会での包括的な医療の必要性が増す現代において、 特に重要なスキルと考えています。初めての受け入れではありますが、 研修医が自身の目標を達成できるよう、 全スタッフが研修医の成長をサポートしていくつもりです!」
ーー訪問診療に注力している。
渡部先生 「クリニックで主に行われる訪問診療ですが、 当院は基幹病院として、 約20年前から注力しています。月に200人前後の患者さん宅を訪問しており、 外来診療が難しい患者さんにとって重要なサービスを提供しています。高齢化が進む中で、 その需要はますます増しています」
「訪問診療では自宅で過ごすというニーズに応えつつ、 病状の進行や退院後のフォローアップを支援しています。一般のクリニックでは往診契約がない場合や時間外には診療を行わないことが多いですが、 当院では24時間対応の体制を整え、 必要な時にいつでも訪問診療や救急外来の受診ができます」
「研修医は、 訪問診療や退院後のフォローアップに積極的に関与してもらいます。初期研修は入院患者や救急患者の診療が中心となりがちですが、 患者さんの生活状況や退院後のケアの重要性を学ぶ機会があります。当院は多職種連携のシステムが確立しており、 看護師や歯科医師、 リハビリテーション、 栄養管理士や薬剤師などの専門スタッフと連携したチーム医療を経験することで、 包括的な医療を提供する力を養うことができます」
「担当患者が退院した後も、 訪問診療や外来診療により継続的に関わることができます。自身が目指す医師像を具体化し、 患者さんとの関わりを通じて成長していくできると考えています」
ーーチーム連携について。
渡部先生 「大規模な病院と異なり、 横の連携を重視しています。医師は診断や治療だけでなく、 他職種に指示を出す中心的な役割も果たします。リハビリスタッフやメディカルソーシャルワーカー、 薬剤師など多くのコメディカルが入院から退院まで深く関わり、 患者さんのケアを包括的に行います」
「医師は患者の健康状態や生活面を理解し、 リハビリや退院後のサポートなど、 多角的なニーズを考慮した上で調整します。多職種連携により、 全体的な医療について学び、 地域医療を支える医師としての成長することができます」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。