海外ジャーナルクラブ
26日前

Straubらは、 胎児期の抗てんかん薬曝露による小児神経発達障害リスクについて、 米国の保険加入者データを用いたコホート研究にて検証した。 その結果、 バルプロ酸およびゾニサミドの暴露により、 複数の神経発達転帰でリスク上昇 (1.26~4.50倍) が認められた。 また、 トピラマート、 ラモトリギンでは、 知的障害 (両薬剤) および学習困難 (トピラマート) との関連が示唆されたほか、 カルバマゼピン、 オクスカルバゼピンでは、 注意欠如多動症および行動障害のリスクの軽度増加を認めた。 試験結果はBMJ誌に発表された。
本研究は観察データに基づくため交絡やデータ品質の影響を受ける可能性があり、 一般化可能性や長期的評価には一定の制限がありますが、 貴重なリアルワールドデータです。
本研究では、 胎児期の特定の抗てんかん薬曝露が、 小児の神経発達障害リスクを増加させるかどうかを検証した。
本研究は、 2000~21年の米国の公的および民間保険加入者の医療利用データを用いたコホート研究である。 てんかんを有する妊婦とその出生児を対象とし、 妊娠後半 (シナプス形成期) に抗てんかん薬の調剤を受けた妊婦と、 妊娠3ヵ月前~分娩まで調剤を受けなかった妊婦を比較した。
主要評価項目は、 神経発達障害全般、 注意欠如多動症、 自閉スペクトラム症、 行動障害、 発達性協調運動障害、 知的障害、 学習困難、 ならびに言語または会話障害とし、 潜在的交絡因子を調整し、 傾向スコアのオーバーラップ重み付けを用いたCox比例ハザードモデルでHRを推定した。
対象には、 非曝露群8,887例が含まれ、 曝露群の妊娠件数は暴露薬剤別に219例 (ラコサミド) ~5,261例 (レベチラセタム) まで幅があった。
バルプロ酸、 ゾニサミド
複数の神経発達転帰でリスク上昇 (調整HRの範囲 : 1.26-4.50)
レベチラセタム、 フェニトイン
明らかなリスク上昇なし
トピラマート、 ラモトリギン
知的障害 (両薬剤)、 および学習困難 (トピラマートのみ;少数例にてHR 1.23) に潜在的シグナルを認める
カルバマゼピン、 オクスカルバゼピン
注意欠如多動症および行動障害のリスクを軽度増加 (HRの範囲 : 1.23-1.40)
これらの結果は、 ラモトリギンを実薬対照とした解析を含む感度分析でも概ね一致
また、 複数薬剤で知的障害リスク上昇が示唆されたが、 症例数が少なく推定値の精度は限定的であった。
著者らは、 「本研究結果は、 胎児期バルプロ酸曝露による小児神経発達リスク増加についてエビデンスを強化するものであり、 ゾニサミドについてはさらなる評価の必要性が示唆された。 他の薬剤で認められたシグナルについても、 さらなるデータ蓄積を要する」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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