HOKUTO編集部
12ヶ月前

高リスク皮膚有棘細胞癌 (CSCC) の術後療法において、 抗PD-1抗体cemiplimabの有効性をプラセボを対照に検証した第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験C-POSTの中間解析結果から、 DFSの有意な改善が示された。 オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのDanny Rischin氏が発表した。 同詳細はN Engl J Med. 2025年5月31日オンライン版に同時掲載された¹⁾。
CSCCへの治療の中心は手術であり、 治癒率は90%以上とされる。 しかし一部の患者では手術・術後放射線治療後も再発リスクが高く、 高リスクCSCCに対する有効な治療は現在確立されていない。
cemiplimabは、 手術や放射線治療が適応とならない進行・転移性CSCCに対し米食品医薬品局 (FDA) に承認されている。 C-POST試験では、 高リスク例における術後療法としてのcemiplimabの有効性と安全性を検証した。
対象は、 高リスク*のCSCCで、 肉眼的完全切除が行われ、 術後放射線療法(≧50Gy)を無作為化の2~10週以内に完了した患者だった。
415例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
プラセボ群で再発、 またはcemiplimab群で治療完了後に再発した場合、 cemiplimab 350mg(3週毎に最大96週間)の投与が許可された。
主要評価項目は無病生存期間 (DFS) で、 無作為化から局所・遠隔再発の確認、 またはあらゆる原因による死亡までの期間と定義された。
副次的評価項目は局所再発までの期間 (FFLRR)、 遠隔再発までの期間 (FFDR)、 二次性原発性CSCC腫瘍 (SPT) の累積発生率、 全生存期間 (OS)、 安全性だった。
年齢中央値、 性別、 人種などの患者背景は両群間で概ねバランスが取れていた。 頭頸部原発CSCCの割合はcemiplimab群が79%、 プラセボ群が86%だった。 高リスクの項目で最も多かったのは、 ≧20mmのECEを伴うリンパ節病変で、 cemiplimab群の50%、 プラセボ群の47%で認められた。
2024年10月4日をデータカットオフとした追跡期間中央値24ヵ月(範囲2-64ヵ月)におけるDFS中央値は、 プラセボ群の49.4ヵ月(95%CI 48.5ヵ月-NE)と比較し、 cemiplimab群では未到達(同 NE-NE)と有意に改善した(HR 0.319 [95%CI 0.199-0.511]、 p<0.0001)。
cemiplimab群/プラセボ群の12ヵ月、 24ヵ月、 36ヵ月時のDFS率はそれぞれ92.4%/69.5%、 87.1%/64.1%、 83.1%/60.4%だった。
DFSサブグループ解析の結果、 事前に規定された全てのサブグループにおいて、 cemiplimab群のプラセボ群に対する優位性が一貫して認められた。
プロトコール改訂前後の2レジメンのどちらにおいても、 cemiplimab群がプラセボ群と比較し優れている結果であり(改訂前のレジメン : HR 0.44 [95%CI 0.18-1.09]、 改訂後のレジメン : HR 0.25 [同 0.14-0.45])、 安全性は両レジメン間で同等だった。
局所再発のイベント数は、 プラセボ群の40件と比較しcemiplimab群が9件と、 FFLRRは有意に改善した(HR 0.20 [95%CI 0.09-0.40])。 FFDRも同様に、 遠隔再発のイベント数はプラセボ群の26件と比較しcemiplimab群が10件で、 有意な改善が見られた(HR 0.35 [同 0.17-0.72])。
OSデータはimmatureだった(HR 0.86 [95%CI 0.39-1.90])。
治療期間中央値は、 cemiplimab群が47.9週、 プラセボ群が47.7週だった。
cemiplimab群/プラセボ群のGrade3以上の治療関連有害事象は10%/<1%、 免疫介在性有害事象は7%/0%で発現した。
Rischin氏は 「再発高リスクCSCCに対する術後療法としてのcemiplimabは、 再発を有意に抑制することが示された唯一の全身療法である。 再発高リスクCSCCに対し、 cemiplimabが新たな標準治療となる可能性がある」 と報告した。
¹⁾ N Engl J Med. 2025年5月31日オンライン版
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。