海外ジャーナルクラブ
1年前
Jagsiらは、 1~3個 (N1) のリンパ節転移を有する再発リスクの低い乳癌患者を対象に、 局所リンパ節照射 (RNI) の実施頻度と局所再発率 (LRR) をSWOG S1007試験の二次解析で検討。 その結果、 再発リスクの低い乳癌患者では、 RNIを受けない患者においても局所再発率は低いことが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
JAMA特有のKey PointsのMeaningのところにもsuggesting a questionable role of regional nodal irradiation after surgery for low–recurrence score breast cancerとあります。 仮説の提唱となります。
RNIの実施頻度や、 RNIを実施した場合としなかった場合のLRRについては、 リンパ節病変が限局しており、 最新の外科的および全身的治療で良好な生物学的所見が得られた患者において、 後者の治療を漸減するアプローチも含めて、 ほとんど知られていない。
HR陽性ERBB2陰性、 Oncotype DX 21-gene Breast Recurrence Scoreが25以下の乳癌患者4,871例の放射線治療情報を前向きに収集した。
RIN実施割合、 LRR発生率と予測因子、 局所療法と侵襲的無病生存率 (IDFS) の関連 (閉経状態、 治療群、 再発スコア、 腫瘍の大きさ、 転移リンパ節、 および腋窩手術で調整)
放射線療法治療情報のある患者4,871例のうち、 放射線療法を受けたのは81.0% (3,947例) であった。 放射線治療を受け、 標的に関する完全な情報が得られた3,852例のうち、 59.0% (2,274例) がRNIを受けた。
追跡期間中央値6.1年で、 5年後までのLRRの累積発生率は、 乳房温存手術とRNIを伴う放射線治療を受けた患者では0.85%、 乳房温存手術とRNIを伴わない放射線治療を受けた患者では0.55%、 乳房切除術後に放射線治療を受けた患者では0.11%、 乳房切除術後に放射線治療を受けなかった患者では1.7%であった。
化学療法なしの内分泌療法群でも同様にLRRは低かった。
RNIによるIDFSの差はみられなかった。
RNIの使用は生物学的に良好なN1病変の設定において分割され、 RNIを受けなかった患者においてもLRRの発生率は低かった。 IDFSはRNIを受けたことと関連していなかった。ただし、S1007試験に登録された患者と同様の患者における化学療法の省略は、 RNI使用の独立した適応とはならない。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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