ROS1阻害薬タレトレクチニブ、 ROS1陽性進行NSCLCで国内申請
著者

HOKUTO編集部

2ヶ月前

ROS1阻害薬タレトレクチニブ、 ROS1陽性進行NSCLCで国内申請

ROS1阻害薬タレトレクチニブ、 ROS1陽性進行NSCLCで国内申請
日本化薬は3月3日、 ROS1阻害薬タレトレクチニブについて、  「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」 を効能・効果として、 日本国内における製造販売承認申請を行った旨を発表した。

次世代ROS1阻害薬で、 CNSにも移行

本申請は、 2024年9月に開催された世界肺癌学会 (WCLC 2024) で発表されたROS1 融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象とした国際共同第II相臨床試験TRUST-IIの結果などに基づくもの。

タレトレクチニブは日本化薬が米・ニュベーション社から導入した次世代の経口ROS1阻害薬。 日本化薬によると、 ROS1融合遺伝子陽性の進行性NSCLCの治療のためにデザインされており、 選択的かつ強力なROS1チロシンキナーゼ阻害活性を有し、 中枢神経系 (CNS) にも移行する特徴を有する。

2024年11月に希少疾病用医薬品の指定を受けており、 優先審査の対象となっていた。

ORR・頭蓋内ORRいずれも良好

ROS1融合遺伝子陽性の局所進行または転移を有するNSCLC患者を対象としてタレトレクチニブ (600mgを1日1回投与) の有用性を検討した第II相臨床試験TRUST-IIにおいて、 主要評価項目である客観的奏効率 (ORR)については、 以下の結果が示された。

  • TKI未治療群54例におけるORR : 85.2%
  • アジア人 87.9%、 非アジア人 81.0%
  • 脳転移を有する9例での頭蓋内ORRは66.7%、 うち完全奏効 (CR) は2例
  • TKI既治療群47例におけるORR : 61.7%
  • アジア人 57.1%、 非アジア人 65.4%
  • 脳転移を有する16例での頭蓋内ORRは56.3%、 うちCRは1例

安全性プロファイルは良好であった。

  • 減量に至った治療中の有害事象 (TEAE) は37%で、 最も多かったのは肝酵素の上昇であった
  • 投与中止に至ったTEAEは7.5%、 うち治療関連有害事象 (TRAE) は1.3%であった
  • TEAEによる死亡の報告はなかった
  • 神経学的TEAEの発現率は低く (味覚異常 : 19.5%、 めまい : 17.0%)、 Grade3以上の報告はなかった

出典 (外部リンク)

  1. Journal of Thoracic Oncology, Volume 19, Issue 10, S72 - S73
  2. ニューベーション社公式サイト (September, 2024 WCLC 2024 Oral Presentation)、 2025年3月5日参照

関連コンテンツ

レポトレクチニブ承認 : ROS1融合遺伝子陽性NSCLCへの新たな治療選択肢

ポストのGif画像
ROS1阻害薬タレトレクチニブ、 ROS1陽性進行NSCLCで国内申請の全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
ROS1阻害薬タレトレクチニブ、 ROS1陽性進行NSCLCで国内申請