海外ジャーナルクラブ
1年前
Kimらは、 65歳以上で精神疾患がない大手術後の患者を対象に、 術後せん妄に対する非定型抗精神疾患薬 (オランザピン、 クエチアピン、 リスペリドン) の安全性を後ろ向き全国コホート研究で検討した。 その結果、 非定型抗精神疾患薬と定型抗精神疾患薬 (ハロペリドール) を投与された術後せん妄の高齢患者において、 院内有害臨床イベントのリスクに差は認められなかった。 本研究は、 Ann Intern Med誌において発表された。
17,000症例でもその半数以上がクエチアピンが処方されています。 ハロペリドールを軸に死亡リスクを算出して有意差がありませんが、 ハロペリドール使用の推奨度が高まる結果ではありません。
術後せん妄の管理には抗精神疾患薬が一般的に用いられている。 最近の研究では、 ハロペリドールの使用は減少し、 非定型抗精神疾患薬の使用が増加していることが報告されている。
65歳以上で精神疾患ではない大手術後の患者:1万7,115例
オランザピン (10mg以下)、 クエチアピン (150mg以下)、 リスペリドン (4mg以下)、 およびハロペリドール (開始日に4mg以下) の投与
院内死亡、 不整脈イベント、 肺炎、 脳卒中または一過性脳虚血発作 (TIA) のリスク
院内死亡率
院内死亡率は3.1%で、 処方率はクエチアピンが最も高かった (53.0%)。
治療群間の差
院内死亡リスクに治療群間で統計学的有意差は認められなかった。
非致死的臨床イベントのリスク
治療群間で統計学的有意差は認められなかった。
非定型抗精神疾患薬とハロペリドールを投与された術後せん妄の高齢患者間で、 院内有害臨床イベントのリスクに差は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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