HOKUTO編集部
1年前
化学療法抵抗性でKRAS G12C変異陽性の転移性大腸癌(mCRC)患者を対象に、 KRAS G12C阻害薬ソトラシブと抗EGFR抗体パニツムマブの併用療法の有効性と安全性について、標準化学療法を対照に検証した第Ⅲ相試験CodeBreaK 300の結果から、 ソトラシブ+パニツムマブ併用療法は、 いずれの用量においても標準治療に比べて無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長した。 イタリア・Fondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのFilippo Pietrantonio氏が発表した。 同試験の詳細はN Engl J Med 2023年10月22日オンライン版に掲載された。
化学療法抵抗性でKRAS G12C変異陽性のmCRC患者で、 以下の適格基準を満たすもの
160例を以下の3群に1:1:1で割り付けた
主要評価項目:PFS
副次評価項目:全生存期間 (OS) 、 客観的奏効率 (ORR)
2023年6月19日をカットオフ日とする中央値は7.8ヵ月
3群間で同様。前治療が2ライン以上の患者が83~87%を占め、血管新生阻害薬の投与歴がある患者が85~89%だった。
HR 0.49 (95%CI 0.30-0.80)、 p=0.006
HR 0.58 (95%CI 0.36-0.93)、 p=0.030
データのカットオフ時点ではimmatureであり、 55例 (34%) の死亡が認められた。
治療継続期間 (範囲)
治療関連有害事象の発現
KRAS G12C遺伝子変異はmCRC患者の約3~4%に認められる。 KRAS G12C阻害薬の単剤療法ではわずかな有効性しか得られていなかったが、本試験では、 ソトラシブ+パニツムマブ併用療法はソトラシブ 960 mg、 240 mgのいずれの場合も標準治療よりもPFSを延長させ、 特に960mgで延長した。 ソトラシブとパニツムマブの併用療法は、KRAS G12C変異陽性のmCRC患者に対して有効な治療となり得る。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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