【NEJM】先天性下痢・腸症、原因変異と新規関連遺伝子を同定
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海外ジャーナルクラブ

3日前

【NEJM】先天性下痢・腸症、原因変異と新規関連遺伝子を同定

【NEJM】先天性下痢・腸症、原因変異と新規関連遺伝子を同定
Gaibeeらは、 単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われる乳児を対象に、 先天性下痢・腸症 (CODEs) の遺伝的構造を解明することを目的として、 次世代シーケンシング (NGS) を用いた症例集積研究を実施した。 その結果、 CODEsの原因変異および3つの新規関連遺伝子が明らかになった。 研究結果はNEJM誌に掲載された。 

📘原著論文

The Genetic Architecture of Congenital Diarrhea and Enteropathy. N Engl J Med. 2025 Apr 3;392(13):1297-1309. PMID: 40174224.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

この研究のように、 今後、 次世代シーケンシングを用いた研究が展開されていきそうです。


背景

NGSは希少疾患に対する精密な治療アプローチを可能に

次世代シーケンシング (NGS) は、 先天性下痢・腸症 (CODEs) をはじめとする罹患率・死亡率の高い希少疾患の小児に対して精密な治療アプローチを可能にし、 治療成績の向上に貢献している。

CODEsの治療は主に支持療法であるが、 遺伝子診断に基づく新たな標的療法として、 特別食、 薬物療法、 外科的介入などがある。

研究デザイン

NGSとモデル実験で変異を解析

単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われる乳児を対象に、 NGSを用いてエクソームまたはゲノムを解析した。 細胞モデルとゼブラフィッシュモデルを用いて、 CODEsとの関連が新たに示された遺伝子の変異の影響を検討した。

結果

原因変異と3つの新規関連遺伝子を同定

単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われた発端者の乳児129例の症例集積で、 62例 (48%) でNEUROG3の新規創始者変異を含む原因変異が同定された。

また、 細胞モデルとゼブラフィッシュモデルでは、 CODEs に関連する3つの新規遺伝子 (GRWD1MYO1AMON1A) を同定し、 機能に関する特性を明らかにした。

結論

CODEsの多様な遺伝的背景を解明、 新規遺伝子も同定

著者らは 「CODEs患者の大規模な症例集積により、 CODEsの多様な遺伝的背景が明らかになり、新たな関連遺伝子も同定された」 と報告している。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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