海外ジャーナルクラブ
3日前
Gaibeeらは、 単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われる乳児を対象に、 先天性下痢・腸症 (CODEs) の遺伝的構造を解明することを目的として、 次世代シーケンシング (NGS) を用いた症例集積研究を実施した。 その結果、 CODEsの原因変異および3つの新規関連遺伝子が明らかになった。 研究結果はNEJM誌に掲載された。
この研究のように、 今後、 次世代シーケンシングを用いた研究が展開されていきそうです。
次世代シーケンシング (NGS) は、 先天性下痢・腸症 (CODEs) をはじめとする罹患率・死亡率の高い希少疾患の小児に対して精密な治療アプローチを可能にし、 治療成績の向上に貢献している。
CODEsの治療は主に支持療法であるが、 遺伝子診断に基づく新たな標的療法として、 特別食、 薬物療法、 外科的介入などがある。
単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われる乳児を対象に、 NGSを用いてエクソームまたはゲノムを解析した。 細胞モデルとゼブラフィッシュモデルを用いて、 CODEsとの関連が新たに示された遺伝子の変異の影響を検討した。
単一遺伝子性の先天性下痢症が疑われた発端者の乳児129例の症例集積で、 62例 (48%) でNEUROG3の新規創始者変異を含む原因変異が同定された。
また、 細胞モデルとゼブラフィッシュモデルでは、 CODEs に関連する3つの新規遺伝子 (GRWD1、 MYO1A、 MON1A) を同定し、 機能に関する特性を明らかにした。
著者らは 「CODEs患者の大規模な症例集積により、 CODEsの多様な遺伝的背景が明らかになり、新たな関連遺伝子も同定された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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