海外ジャーナルクラブ
12日前

Sayanらは、 米国の大規模がん登録SEERに参加した好適中間リスク前立腺癌若年患者を対象に、 監視療法と即時根治治療の死亡リスクを比較する後ろ向きコホート研究を実施した。 その結果、 即時根治治療は、 監視療法と比較し全死亡および非前立腺癌死亡を低下させなかった。 この結果は、 白人集団および人種マイノリティ集団でおおむね一致していた。 試験結果はProstate誌に発表された。
前立腺癌は進行が遅いため追跡期間が十分とは言えず、 長期死亡リスクの評価には限界があります。 さらにレジストリ研究であるため臨床情報が限定的で、 結果の一般化可能性にも注意が必要です。
積極的監視療法は、 低リスク前立腺癌の標準的管理法であるが、 好適中間リスク前立腺癌若年患者での積極的監視が死亡リスクを増加させるかどうかは不明である。
本研究では、 好適中間リスク前立腺癌若年患者を対象に、 監視療法と即時根治治療について死亡リスクを人種別に比較した。
本研究は、 米国の大規模がん登録SEERデータ (2010~20年) を用いた後ろ向きコホート研究であり、 60歳未満の好適中間リスク前立腺癌を対象とした。
主要評価項目は全死亡(ACM)、 副次評価項目は前立腺癌特異的死亡(PCSM)および非前立腺癌死亡(non-PCSM)とした。
既知の予後因子で調整後、 多変量Cox回帰、 Fine-Gray検定で解析し、 人種による交互作用も検討した。 有意水準はBonferroni補正後のp<0.025とした。
対象となった3,832例中127例 (3.31%) が死亡し、 18例 (127例中14.17%) が前立腺癌による死亡であった。
即時根治治療 (前立腺全摘除術 [RP] / 放射線療法 [RT] ) は、 監視療法 (積極的監視 [AS] / 待機的経過観察 [WW] ) と比較し、 ACMおよびnon-PCSMを有意に低下させなかった。
白人集団
人種マイノリティ集団
なお、 多重性調整後、 人種マイノリティ集団において、 RP/RTはAS/WWと比較してPCSMを有意に低下させた (調整HR 0.03 [95%CI 0.00-0.48、 p=0.01]) ものの、 AS/WW患者での追跡期間中央値はRP/RT患者より6.5ヵ月長かった。
著者らは、 「60歳未満の好適中間リスク前立腺癌患者において、 監視療法で管理された場合の早期死亡リスクは即時根治治療で管理された場合と同様に低く、 この結果は人種間で同様であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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