海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Mamounasらは、 術前療法後に腋窩リンパ節転移陰性 (ypN0) となった乳癌患者を対象に、 領域リンパ節照射の省略が予後に及ぼす影響を第Ⅲ相無作為化比較試験で評価した。 その結果、 術後療法として領域リンパ節照射を実施しても、 浸潤性乳癌の再発または乳癌死のリスクは低下しなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
乳癌再発または乳癌死の5年累積発生率が予想より約40%低く、 予定されていたイベント数に達しておらず、 解析に影響を与えています。
乳癌治療における領域リンパ節照射の有用性は、 腋窩リンパ節転移陽性の患者では確立されているが、 術前療法後に病理学的に腋窩リンパ節転移陰性 (ypN0) となった患者にも有用性があるかは明らかにされていない。
そこで本研究では、 術前療法後にypN0となった乳癌患者を対象に、 領域リンパ節照射の省略が予後に及ぼす影響を評価した。
第Ⅲ相無作為化試験において、 T1-T3、 N1、 M0の乳癌で、 術前療法後にypN0 を達成した患者1,556例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 浸潤性乳癌の再発または乳癌死のない期間 (浸潤性乳癌無再発期間) であった。
副次的評価項目は、 局所・領域リンパ節無再発期間、 無遠隔再発期間 (DRFI)、 無病生存期間 (DFS)、 全生存期間 (OS) などであった。 安全性も評価した。
追跡期間中央値59.5ヵ月において、 主要評価項目である領域リンパ節照射による浸潤性乳癌無再発期間の有意な延長は認められなかった (HR 0.88 [95%CI 0.60-1.28]、 p=0.51)。
浸潤性乳癌の再発のない生存率の点推定値は、 照射群で92.7%、 非照射群で91.8%であった。
領域リンパ節照射による局所・領域リンパ節無再発期間、 DRFI、 DFS、 OSの延長はみられなかった。
プロトコルで規定された治療関連の死亡は報告されず、 予期せぬ有害事象はみられなかった。 Grade4の有害事象は照射群の0.5%、 非照射群の0.1%に発現した。
著者らは 「術前療法後にypN0となった患者において、 術後療法として領域リンパ節照射を追加しても、 浸潤性乳癌の再発または乳癌死のリスクは低下しなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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