【JAMA】血小板輸血の国際臨床実践ガイドライン2025
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【JAMA】血小板輸血の国際臨床実践ガイドライン2025

【JAMA】血小板輸血の国際臨床実践ガイドライン2025
AABBおよびICTMG (国際輸血医学ガイドライン合同作業グループ) は、 成人および小児における『血小板輸血の国際臨床実践ガイドライン2025』を発表した。 本ガイドラインではGRADE手法に基づき21件のRCTと13件の観察研究が評価された。 

📘原著論文

Platelet Transfusion: 2025 AABB and ICTMG International Clinical Practice Guidelines. JAMA. 2025 May 29. Online ahead of print. PMID: 40440268

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

一般医にとってはエビデンスレベルを鑑みますと、 腰椎穿刺患者に血小板数<2万/μLで輸血を行う、 という点はおさえる必要がありそうです。

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血小板輸血によるPltの上昇予測

血小板輸血によるPltの上昇予測の推算式

CCI (補正血小板増加数)

輸血後1時間後または20時間後の血小板増加数

ガイドラインの推奨一覧

血小板輸血の推奨閾値
【JAMA】血小板輸血の国際臨床実践ガイドライン2025
(本論文を基にHOKUTO編集部作成)

RCTや観察研究の結果

RCTでは制限的 vs 寛容的輸血戦略が比較された。 その結果、 制限的輸血戦略は寛容的輸血戦略と比較して、 死亡率や出血の増加を引き起こす可能性が低いことが示された。 また腰椎穿刺を受ける血小板減少症患者では、 脊髄血腫の発生率が極めて低かった。 制限的輸血戦略の定義は試験間で異なっていたため、 上記で示す推奨事項は実践的な指針としてまとめられている。

強い推奨

エビデンスの確実性 : 高~中程度

低形成性血小板減少症

1万/μL未満で輸血 (*出血を伴わない化学療法中または同種幹細胞移植を受けている患者)

消費性血小板減少症

2.5万/μL未満で輸血 (*大出血を伴わない新生児)

腰椎穿刺を行う患者

2万/μL未満で輸血

デング熱関連の消費性血小板減少症

輸血は行わない (*大出血を伴わない患者)

条件付き推奨

エビデンスの確実性 : 低~非常に低

低形成性血小板減少症

予防的輸血は行わない (*出血を伴わない自家造血幹細胞移植または再生不良性貧血の成人)

消費性血小板減少症

1万/μL未満で輸血 (*大出血を伴わない成人)

圧迫可能部位へCVカテーテルを留置する成人

1万/μL未満で輸血

IVRを受ける成人

2万/μL未満で輸血 (*低リスク手技) または

5万/μL未満で輸血 (*高リスク手技)

脳・脊髄を扱わない⼤手術を受ける成人

5万/μL未満で輸血

脳・脊髄を直接扱わない⼤型手術

血小板減少症を伴わず心肺バイパスを含む心血管手術を受ける患者

輸血は行わない (*重篤な出血を伴わない場合)

血小板数10万/μL未満の非手術的頭蓋内出血を有する成人

輸血は行わない (*抗血小板薬使用者を含む)

結論

エビデンスは一貫して制限的輸血戦略の実施を支持

エビデンスは一貫して制限的輸血戦略の実施を支持している。 制限的輸血戦略は有害反応のリスクを低減し、 血小板不足を緩和し、 コスト削減にも寄与する。 血小板輸血の実施にあたっては、 全体的な臨床的背景および代替療法を検討することが望ましい。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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