EULAR 強皮症治療 推奨 2023
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HOKUTO編集部

1年前

EULAR 強皮症治療 推奨 2023

EULAR 強皮症治療 推奨 2023

2023年5月31日~6月3日に開催された欧州リウマチ学会 (EULAR 2023) の Update on the treatment of scleroderma lung diseaseのセッションでは、 2017年の発表が最後となっていた強皮症の治療に関する推奨がupdateされ、 Francesci Del Galdo氏による解説がなされた。 ここでは、 セッションで提示された各ドメインの治療推奨をもとに要点をまとめた。

注意点として、  図表に関してはセッション内容に基づいて作成したものであり、  詳細に関しては今後の2023 update of the EULAR recommendations の出版が待たれる。

強皮症の治療に関する推奨 update

2017年版で示された16の推奨と比較して、 2023年版では20の推奨があり、 8つの各ドメインに分類されている。 それぞれ治療推奨度の強い順にA、 B、 C、 Dとした。

EULAR 強皮症治療 推奨 2023
ERAS: エンドセリン受容体拮抗薬 HSCT:造血幹細胞移植 RTX : リツキシマブ MMF : ミコフェノレート酸モフェチル MTX : メトトレキサート CYC: シクロホスファミド NTB: ニンテンダニブ ACEi: ACE阻害薬

さらに、 治療内容について複数のドメイン別に解説が行われた。

レイノー現象、 指先部潰瘍、 肺高血圧症の治療

EULAR 強皮症治療 推奨 2023
※ERAS: エンドセリン受容体拮抗薬
[解説]
推奨されている薬剤は上記の通りである。 背景にはそれぞれ単一の血管症状に対するだけでなく、  疾患の血管障害にも作用する薬剤であり、  強皮症を治療し始めるという意図がある。 免疫抑制療法による血管疾患を治療に関してエビデンスがまだなく、  今後の課題である。

皮膚線維症、 間質性肺炎の治療

EULAR 強皮症治療 推奨 2023
HSCT:造血幹細胞移植 RTX : リツキシマブ MMF : ミコフェノレート MTX : メトトレキサート CYC: シクロホスファミド NTB: ニンテンダニブ
[解説]
皮膚線維症においては、  造血幹細胞移植が強く推奨された。 またこのドメインで初めて分子標的型のDMARDsが推奨とされ、  リツキシマブがAに推奨された。 その他、  間質性肺炎に関してはMMFや比較的新しい薬剤であるニンテンダニブ、  またシクロホスファミドもAと推奨された。 また、  MMFやTCZに関しては各ドメインで推奨度が異なる。

筋骨格系症状、 消化器症状、 腎クリーゼの治療

EULAR 強皮症治療 推奨 2023
ACEi: ACE阻害薬
[解説]
Aに入る強い推奨となる薬剤がなく、  エビデンスが乏しい。 PPIや消化管運動促進薬に関してはこれまでの通りである。 また腎クリーゼ予防のためのACE阻害薬も推奨されない。
EULAR 強皮症治療 推奨 2023

解説医師:小森 宏太郎先生

亀田総合病院
リウマチ膠原病アレルギー内科

こちらの記事の監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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