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海外ジャーナルクラブ

58日前

【Circulation】AFの早期リズムコントロール、CHA₂DS₂-VAScスコア≧4の高リスク患者に有効か

Rilligらは, 心房細動発症患者を対象にした無作為化試験 (EAST-AFNET4試験) の参加者を高リスク群と低リスク群に分け, 早期リズムコントロール と通常ケアの有効性と安全性を比較する事前設定サブ解析を実施. その結果, 最近心房細動を発症し, CHA₂DS₂-VAScスコア≧4の患者は, 心血管予後改善のために早期リズムコントロールを考慮すべきだが, 併存疾患の少ない低リスク患者では早期リズムコントロールによる予後があまりよくない可能性があることが示された. 本研究は, Circulation誌において発表された. 

📘原著論文

Rillig A, et al, Early Rhythm Control in Patients With Atrial Fibrillation and High Comorbidity Burden. Circulation. 2022 Sep 13;146(11):836-847.PMID: 35968706

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は2次解析であり, 仮説の提唱に過ぎないことをしっかりと本文の結論に記載がありますが, abstractには「Patients with recently diagnosed atrial fibrillation and CHA₂DS₂-VASc score ≥4 should be considered for early rhythm control (ERC)」とのみありますので注意が必要です.

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背景

EAST-AFNET4では, 最近診断された心房細動と脳卒中の危険因子を有する患者において, 早期リズムコントロールが有害心血管疾患を減らすことが証明された. しかし, 複数の心血管系疾患を合併する患者における早期リズムコントロールの有効性と安全性は明らかではない.

研究デザイン

早期リズムコントロールと通常ケアの有効性と安全性を, 高リスク患者と低リスク患者で層別化して比較した. 
  • 高リスク群:1,093名 (74.8±6.8歳, 女性61%)
CHA₂DS₂-VAScスコア≧4の患者
  • 低リスク群:1,696名 (67.4±8.0歳, 女性37%)
CHA₂DS₂-VAScスコア<4の患者
  • 感度分析では性別を無視した (CHA₂DS₂-VAスコア).
  • 有効性の主要評価項目:心血管死, 脳卒中, 心不全悪化による入院, 急性冠症候群
  • 安全性の主要評価項目:死亡, 脳卒中, 洞調律維持による重篤な有害事象

研究結果

  • 早期リズムコントロールは, 高リスク群において心血管死, 脳卒中, 心不全悪化による入院, 急性冠症候群を減少させた.
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数:127/549名
  • 通常ケアのイベント発生患者数:183/544名
HR 0.64, 95%CI 0.51-0.81, P<0.001
  • 早期リズムコントロールは, 低リスク群において心血管死, 脳卒中, 心不全悪化による入院, 急性冠症候群を減少させなかった.
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数:122/846名
  • 通常ケアのイベント発生患者数:133/850名
HR 0.93, 95%CI 0.73-1.19, P=0.56, P interaction=0.037
  • 死亡, 脳卒中, 洞調律維持による重篤な有害事象は, 高リスク群では試験群間差がなかった.
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数:112/549名
  • 通常ケアのイベント発生患者数:132/544名
HR 0.84, 95%CI 0.65-1.08, P=0.175名
  • 死亡, 脳卒中, 洞調律維持による重篤な有害事象は, 低リスク群では早期リズムコントロールにおいて頻繁に発生した.
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数119/846名
  • 通常ケアのイベント発生患者数91/850名
HR 1.39, 95%CI 1.05-1.82, P=0.019, P interaction=0.008
  • 生命を脅かすイベントや死亡に群間差はなかった
  • <高リスク群>
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数:84/549名
  • 通常ケアのイベント発生患者数:96/544名
  • <低リスク群>
  • 早期リズムコントロールのイベント発生患者数:75/846名
  • 通常ケアのイベント発生患者数:73/850名
  • 性別を無視した場合, 「P interaction」は有効性の主要評価項目では有意ではなかったが (P=0.25) , 安全性の主要評価項目では有意性が保たれた (P=0.044) .

結論

最近診断された心房細動でCHA₂DS₂-VAScスコア≧4の患者は, 心血管予後を改善するために早期リズムコントロールを考慮すべきであるが, 併存疾患の少ない低リスク患者では早期リズムコントロールによる予後があまりよくない可能性がある.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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